2010年6月20日日曜日

オランダ戦 - PV@東京ドーム

パブリック・ビューイングでの観戦は、国立競技場での2002年のトルコ戦以来です。あの時の試合の展開は、三都主のバーをたたいたFK以外はほとんど記憶にありませんが、タイムアップのホイッスルの瞬間の虚脱感が体にまとわりついてくるような粉糠雨の感覚とともに今でも蘇ってきます。そんな訳で、今回は、雨の場合を想定して、東京ドームを観戦場所として選びました。今回も8年前同様、山登り・秘湯巡り仲間のN隊長との観戦です。
東京ドームには国立を上回る2万5千人のサポーターが集まりました(写真)が、オーロラビジョンを3分割した中央の画面は、内野席スタンドからは余りにも小さく、選手の識別が出来ないのは已むを得ないものの、ボールの動きを追えないのは致命的でした。N隊長は、携帯のワンセグ画面を見ながらの観戦という笑うに笑えない状況に。これも、雨を恐れた気持ちの弱さが招いたが故。気持ちで負けてはいけないということです。
オランダ戦。日本代表、気持ちで負けていませんでした。カメルーン戦での1勝が大きな自信となり、チームの急速な成熟がもたらされています。高い位置でのプレスと個人での仕掛け。カメルーン戦では見られなかった積極性です。松井はいいアクセントになっていました。大久保のキレ、文字通り、一皮むけた感があります。何よりも、0-2、0-3となるリスクを背負って、ゴールを奪いにいった岡田監督の強気の采配は驚きでした。玉田、岡崎のFW2人同時投入は、ジョホールバルでの城、呂比須の同時投入を彷彿とさせるものでした。(もっとも、森本ではなく、守備的(?)FWの岡崎投入というのには、多少、岡田監督の迷いも透けて見えましたが。)闘莉王に上がりを指示したのも、勝負師岡ちゃんの面目躍如といったところです。再三の決定的場面を川島が好守備でしのいで、結果的にオランダの追加点が入らなかったのは、岡田監督の運の強さといえます。ツキというのは、指揮官の最も重要な資質でもあります。カメルーン戦での守備的戦いから、オランダ戦で、やや攻撃にギアを入れた岡田ジャパン。トップギアにギアシフトして、イケイケ采配でデンマーク戦に臨むのか。「あくまで勝ちにいく」という姿勢は当然ながら、引分けでも予選リーグ突破というアドバンテージをどう戦術に織り込んでいくのかは、監督として逃げることのできない極めて重いテーマです。
ところで、東京ドームは、後半終了間際、熱狂に包まれ、至る所で、ハイタッチや抱き合う光景が見られました。長友がペナルティエリア内で倒れたシーンです。実況の声は歓声にかき消され、審判の姿だけが大写しになり、「PK、PK」の叫び声があがりました。コロコロPK派の遠藤コールと正統派俊輔コールが暫し交錯しました。N隊長のワンセグ観戦に象徴されるようにPVとしての一体感に欠けた東京ドームでしたが、その中で唯一、PVの臨場感を味あわせてくれた瞬間でした。

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