2010年6月6日日曜日

対談 中田英寿×本田圭佑

テレビ朝日で放映された中田と本田の対談は驚きでした。プロの進行役によるサッカー選手の対談でも、これだけ深い内容のものは見たことも読んだこともありません。中田の知性と本田の意外な勘の良さが成し遂げた奇跡ともいえるかもしれません。それにしても、NHKの日本サッカー50年史といい、今回のW杯特番の質の高さは特筆ものです。日本のサッカー文化も成熟してきました。W杯本戦での惨敗、あるいは、今後のアジア予選での敗退を冷静に受入れられる下地は出来あがっているのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、対談内容です。 まずは、中田が、海外移籍してからの本田のプレースタイルの変化に、水を向けます。グランパス時代のパサーからVVVのゴールゲッターに変貌した過程を、「海外のチームではMFはパスでは評価されない。ゴールを決めて認めさせなければ、練習でパスさえこない」と説明します。その姿はペルージャ時代の中田と重なります。初戦のユベントス戦での2ゴールの鮮烈デビューが、中田にペルージャでの確固たる地位を築かせ、シーズン10ゴールが、弱冠21歳の中田を世界のNAKATAに押し上げました。翌シーズン以降のゴール数が最多で4ゴールであることを考えると、中田の緻密な計画とそれを実現せしめた執念に改めて驚かされます。恐らくパサーとしては中田以上であった名波が、わずか1シーズンでセリアAを去らざるをえなかったことと対照をなしています。(デビュー戦のウディネーゼ戦であのポストを叩いたシュートがあと5センチ内側にずれていたら名波のサッカー人生は大きく変わっていたかもしれませんが・・・。)
次に飛び出したのは、本田の見事なスルーパス。「中田さんの常に前を向きながらのプレーは、どうしたら出来るんですか?」中田が微笑みながら答えます。「守備を適度にサボって、ボランチが必ずボールを止めると信じながら、すぐに前を向けるように半身で待っていた。」更に、「ペルージャでは、ボランチがボールを奪取するとすぐボクを見てくれたし、98年の代表チームでは、山口さんや名波さんがこれをやってくれた。」と述懐します。「98年の代表チームは自分がやりたいプレーをやれたし、やらしてくれた。それが、だんだんと、自分が周りを活かさなければならない立場になり、2006年の代表では、自分のやりたいプレーを封印して、周りを活かすプレーに徹さざるをえなかった。一番つらい終わり方だった。」とは、「中田さんは孤独だっただろうなぁと思うのですが、ご自身はどう思っていたのですか」という掟破りの本田のキラーパスへの中田のリターンパスです。さすがに苦笑いを浮かべていました。中田は続けます。「本田君には、思い切りわがままになって自分のプレーを貫いて欲しい。」この元祖キラーパスに本田が追いつけるのか。ただし、今の代表チームには、山口も名波もいません。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

滋賀のKです。昨夜の対談は意味深く見ました。中田の「守備をさぼって...」を本田がどのように理解したかです。私の記憶では2大会とも中田の守備(ある意味守備的すぎた)が印象的でした。献身的な守備疲れから後半に痛恨のパスミスを相手に得点されたシーンを思い出されました。欧州でのクラブチームでのアピールの仕方は二人が言ってる通りでしょう。しかし間近に迫った予選の戦い方では、もし本田が先発した場合、彼の守備が求められます。FWは森本、SBは内田の復帰となりそうですから尚更、彼の守備力とスルーパスが求められます。二人が言ってるようにテクニックではどこにも負けないものを持っているのだから、フィジカルで劣っていてもメンタルの部分で強く戦うしかないでしょう。緒戦の勝ち点3は日本的な湿った期待を持って、選手にはベストパフォーマンスを期待しましょう。

SUPER HASE さんのコメント...

今日夢で岡ちゃんが俊輔がスタメン落ち通告する場に居合わせる、奇妙であまりにもリアルな夢を見ました。
結果が残せていない現メンバーは変更するべきではなのか。ここ数試合すべて2失点以上しており、1-0で勝利するイメージは皆無に等しいので、ここは初志貫徹、超攻撃的なサッカーで撃合うべし!TOP森本にし本田は守備負担が少ないTOP下で起用し松井、俊輔をサイドハーフに配し、我が長谷部を右SBするのも彼の経験上ありかなと。
カメ、デンマークも日本以上にバタバタしているようですので、失うものは何もない日本はチャレンジャーということを忘れずアグレッシブにチャレンジすることは切に願います。