2013年7月31日水曜日

ブラジルへの道程 - 東アジアカップ

W杯・五輪以外での初めての海外観戦です。今回の東アジアカップ応援ツアーには反町姫のお誘いで、むしろ初のソウル観光を楽しむつもりで参加致しました。肝心の試合の方は、なでしこは間違いなく優勝だろうと、閑散としたスタジアムでのんびりと観戦していたところ、よもやの敗戦。国内組の男子代表の日韓戦は、アジアNo.1のプライドをかけた戦いとなりました。さすがに伝統の日韓戦。時折激しく雨の打ちつける悪天候にも拘らず、スタンドは8割がた埋まり、スタジアムは「テーハミング」の大音響に包まれました。サポーターの大声援に後押しされて、韓国代表は序盤からフルスロットル。日本代表はなす術なく押し込まれ、ウイングがディフェンスラインに吸収され、シックスバックで守る様相に。両翼ともに高く張られて、サイドを起点に再三ゴールを脅かされます。最終ラインで何とか踏みとどまるも、クリアボールを拾われては再び波状攻撃を仕掛けられるという一方的な展開に、日本人サポーター席のイライラが募ります。GK西川からのフィードも前線に放り込むだけのロングキックに終始し、サポーターからは「周作、ちゃんと手で繋げ!」の罵声も。試合はロスタイムの柿谷の劇的ゴールで勝利を収めたものの、いわゆる日本らしいパスサッカーが影を潜め、爽快感の無いゲームでした。というのが、現地での観戦の率直な感想。
ところが、帰国して早速録画を見てみると、違った風景が見えて来ました。確かにゲームを通して押し込まれる展開には変わりがないのですが、TV画面での選手の身振りや表情には、スタンドで感じていたほどのバタバタ感がないのです。スタンドからの観戦はピッチ全体が見渡せて、フォーメーションや選手個々のポジショニングが分かる醍醐味がありますが、高低・遠近がアバウトだったり、選手の表情が読み取れないのが難点です。時としてスタンドから見るととんでもないミスパスが、TVで見ると実は気持ちを込めた絶妙なスルーパスを狙ったものだったりします。この試合もスタンドからだと、日本代表が苦し紛れに蹴り返すだけの極めて情けない展開に見えましたが、TV画面での選手の姿にはむしろ余裕すら伺え、戦略的にリスクを抑え、あえて堅守速攻に徹して勝負に拘る姿勢が読み取れました。代表へのアピールを図りたいというのが選手達の本音だったと思いますが、はやる気持ちを抑えてチーム戦術に徹していました。コンフェデ杯とは選手が一変していますが、チームとしてコンフェデ杯惨敗の教訓を踏まえ、成長した姿を見せてくれたと勝手に解釈しています。監督解任の声もあがり、優勝が絶対条件の中、ザッケローニは大胆なターンオーバー制を取り、全選手に出場機会を与えるとともに、主力メンバーに最終戦前に休養を与えることにも成功しました。結果的にこの作戦が当たり、また、韓国戦3人目に投入した豊田が守備で貢献するなど、ザックも本田同様「持っている男」なんでしょう。