2010年4月29日木曜日

代表発表5月10日 - 岡田監督の選択

2月28日付のブログでサッカー検定受験をご報告しました。随分待たされましたが、ようやく合格通知と認定カードが送られてきました。立派な金色のカードですが、何の特典もありません。とはいえ、更に精進して3級(現時点での最高位)を目指すつもりです。
5月10日にW杯代表メンバーが発表されることになりました。多くのサッカー選手が祈るような想いで吉報を待っていることでしょう。しかしながら、枠はわずかに23人。喜ぶ選手より悔しい想いをする選手の方が圧倒的に多いわけです。ドイツW杯の久保の落選、巻の選出、日韓W杯の名波・俊輔の落選、ゴン・秋田の選出のようなサプライズは、岡田監督の下では、無いかもしれません。岡田監督といえば、フランスW杯の代表選考で、直前のスイス合宿でカズと北澤をはずしたのは有名です。その選考方法は、様々なゲーム展開を想定しながら、必要な選手を選考していくという手法です。終盤に点が欲しい際に投入するスーパーサブ。終盤1点を守り切る為の守備的MF。ボールをキープ出来る選手。ドリブル突破を図れる選手。ボランチ・CB両方こなせるユーティリティプレーヤー。様々な局面を考えれば考えるほど23人枠はどんどん埋まってしまいます。それぞれ一芸に秀でた選手が23人集まったメンバーが代表チームになるかといえば、それは別問題です。W杯本戦で実際に起こる局面は、そのような想定の10分の1にも満たないはずです。むしろ重要なのは戦えるチームを作ることです。そもそも、チームとして機能しない限り、ベストな選手を11人並べたところで、全く意味はありません。ベンチに座り続けているであろう選手も含めて「全員で戦えるチーム」を作ることが重要なのです。ジーコジャパンは、あれだけ能力の高い選手を揃えながら、この点で失敗しました。システム通り動くチーム作りに徹して選手選考を行ったトルシエは、結果的に最高の成績を残しています。
岡田監督には、この「全員で戦えるチーム」という視点をもって選手選考をして欲しいと思います。そのチーム作りに欠かせないのが、精神的支柱であり、リーダーです。稲本は欠かせません。そして、小野をフランスW杯の時と同様もう一度召集して欲しいと思います。サプライズがあるとすれば、ゴンをムードメーカーとして召集する・・・というのも、アリだと思います。

2010年4月24日土曜日

8%と5%

タイトルの8%という数字はセルビア戦直後のアンケート調査による岡田監督(写真)の支持率です。そして、5%というのはFIFAのオフィシャルサイトでのEグループ1位突破予想の日本の支持率です。トップの支持率はダントツでオランダの75%。カメルーン12%、デンマークの7%と続きます。世界の中での正当な評価として、受け入れざるをえない数字でしょう。
現実的には、とにかく1勝を目指すべき位置にいながら、あえてベスト4を目標に掲げたのは、岡田監督の哲学でもあり、信念でもあります。ところが、セルビア戦での不甲斐ない戦いと高い目標とのギャップが、岡田監督への不信感に繋がり、8%という極めて低い支持率の一因となったのだと思います。低い支持率そのものは問題ではありません。W杯イヤーに入ってからの戦績からすれば当然の数字でしょう。むしろ、怖いのは、幻滅からくる「しらけ」であり、「諦め」であり、「冷めてしまう」ことです。その兆候は明らかに出てきています。本大会まで50日を切ったというのに、マスコミへの露出度は日本代表の岡田監督よりオリックスの岡田監督の方が高いという状況です。監督解任に関する真剣な議論もなされず、代表選出への関心も低いまま。これこそ危機的状況というべきでしょう。W杯は代表23人同士の戦いではなく、国対国の総力戦なのです。である以上、日本代表は戦う前から負けが決しているような状況なのです。
2002年、日韓W杯ベルギー戦で鈴木のつま先を伸ばしたのは日本全体の熱狂でしたし、ロシア戦での81.9%の視聴率は、W杯初勝利の結果ではなく、原因だったのではないでしょうか。あの時の盛り上がりを再燃させるのは不可能ですが、少なくともW杯を一緒に戦うレベルまで温度をあげていく必要があります。それがサポーターにとって、そして、恐らく、日本サッカー協会にとっても今出来得る唯一の策だと思います。もし、それが出来なかったら、W杯後に急激なサッカー離れが始まってしまうような気がしてなりません。Jリーグ発足前のサッカー冬の時代を迎えてしまうのではないかと・・・。

2010年4月18日日曜日

雪の華 - Project Soccer 2010

この時期は、王仁塚の一本桜を見に行くのが毎年の恒例でしたが、今年は進路を北北東に取り、山形県の桜の名所、置賜地区の桜回廊を目指しました。プロジェクト名は、「Soccer 2010」。”Sakura Okitama Cherry Corridor Enjoy Rarry in 2010"の略ですが、勿論、W杯での日本代表の活躍を祈念する意味を込めています。
ところが、新幹線から降り立った赤湯駅の気温は2度。粉雪が舞っていました。桜回廊巡りのバスの行く先々の桜は、日本代表を暗示するように 固い蕾を閉じて雪に埋もれていました(写真)。
置賜桜回廊は、長井市・南陽市・白鷹町の3市町村に跨る42kmの区間、20ヶ所の桜の名所を結ぶ観光ルートです。樹齢1,200年の大木や千本の桜並木などがありますが、個々の名所では上杉家所縁の米沢市や将棋の駒の天童市にかなわず、16年前各桜の保存会が寄り集まって、考え出したものです。1日をかけて様々な桜を観賞するツアーは、満開の頃には圧巻であろうこと想像に難くない、素晴らしい観光ルートです。今回は、図らずも、米沢牛・山形の地酒・ズンダ餅など名産品と温泉を楽しむ、雪見・湯あみ・満腹ツアーとなりましたが、それはそれなりに、雪国の旅を満喫したプロジェクトでした。
雪に耐えた桜が、見事に色づいた華を開かせるのは今週末でしょうか。それを見ることが出来ないのは心残りではありますが、Samurai Blueの固い蕾が6月の南アで開かなくとも、いつかは、満開の季節(とき)を迎えることを祈念して、米沢の地酒、東光の純米吟醸で乾杯。

2010年4月11日日曜日

Team Japan

清水が負け知らずで首位を快走しています。小野が加入したことで、従来の速いパス回しに中盤の溜めが加わり、攻撃に緩急が生まれ、懐の深い、厚みのある攻撃が可能となりました。もともと守備は安定しているチームでしたから、首位にいるのも当然といえます。小野の加入により、レッズの元同僚永井が蘇り(写真)、終盤投入されるベテラン伊東が新たな役割を担うこととなりました。リードしたゲームを落ち着かせたまま終わらせる、野球でいえば、クローザーといった役割です。清水は、日本代表は岡崎のみというように、傑出した選手がいないにも拘わらず、首位に相応しい完成度の高いチームとなりました。
W杯本戦に臨む日本代表メンバーが1ヶ月後には発表されます。Team Japan(おそらくは岡田ジャパン)が結成される訳です。能力の高い選手23名を選んだところで、最強のチームは出来ません。レギュラー陣、スーパーサブ、そして、チームを支え鼓舞する控え組。それぞれの役割を演じられる選手が必要です。日韓W杯日本代表のゴンと秋田のベテランコンビのようなピッチで輝くチャンスはなくとも、ベンチやロッカールームで輝く選手も必要なのです。それがチームなのです。チームの戦術的な支柱となりうる選手は不可欠ですが、精神的な支柱となる選手も必要なのです。特に今のTeam Japanには。その役目を果たせるのは稲本でしょう。そして、キャプテン小野が加われば、Team Japanがようやくチームになると思うのですが・・・。

2010年4月7日水曜日

花に嵐 - セルビア戦

今回来日したセルビア代表は、主力を欠くサブメンバーチーム。あるいは、日本代表に立ち込めている暗雲を吹き飛ばすような快勝もありうるのではという淡い期待もなかった訳ではありません。しかしながら、セルビアは旧ユーゴスラビアの流れを汲む欧州の強豪国です。FIFAランキング15位は伊達ではありませんでした。世界の強豪国と戦うとこうなるという絶好のシミュレーション・ゲームとなりました。
岡田ジャパンの目指すサッカーは、DFラインを高く保ち、前線からプレスをかけていく攻撃的サッカー。W杯ベスト4を目指す上では、チャレンジしなければならないサッカースタイルです。相撲でいえば主導権を取ったまま相手を押し出してしまう突っ張り相撲。アジアではある程度通用しても、世界の強豪国を相手にすると、突っ張らせておいて、隙をみて、もろ差しからいとも簡単にうっちゃってしまうという与し易いスタイルであるとの現実をまざまざと見せつけられたゲームでした。前半キックオフ直後が象徴的でした。日本代表はキックオフから約3分間相手にボールを奪われることなく、ボールを回し続けました。心地よい時間帯でしたが、ゴールの匂いはせず、相手には何ら脅威を与えていなかったのではないかと思います。楢崎のファインセーブでゴールにこそならなかったものの、セルビアに縦パス1本で決定的シュートを打たれたのはその直後でした。日本代表が小刻みに突っ張りを繰り出し、一見、押し込んでいるように見えても、セルビア代表は土俵際に追い詰められたふりをしながら、余裕たっぷりでうっちゃりの機会を虎視眈々と狙っているという図でしょうか。
これまで、岡田監督のW杯ベスト4(のサッカー)を目指すという志を、日本サッカー成長の通過点として、支持してきたつもりですが、ここに至っては撤回せざるを得ません。攻撃的サッカーを支持する前提は、あくまで、W杯でスリリングなゲームをして、華々しく散る(あわよくば勝利する)ことが可能だということです。このままでは、今日のセルビア戦を3試合繰り返すだけで終わってしまうでしょう。根本的な戦略転換が必要です。場合によっては3バック、3ボランチの布陣で守備的に戦い、石川、岡崎の裏に抜ける動きで数少ない得点機を窺うという戦い方ではじめて試合らしい試合になるというのが、今の日本代表の限界であることを認めざるを得ないのではないでしょうか。この戦い方は岡田監督としては、受け入れられるものではないでしょう。であれば、協会としては、決断を下さざるを得ません。「現時点での監督交代はリスクが大きすぎる」などと言ってはおれないことはハッキリしました。ここはオリヴェイラ鹿島監督の兼任監督しかないでしょう。
春の嵐で目を覚まさせてくれたセルビア代表に感謝したいと思います。岡田監督は解任を恥じることはありません。高い志は称賛されるべきですが、選手に恵まれなかったということでしょう。桜のような潔い散り方を期待します。

2010年4月4日日曜日

花冷え、花曇り、セルビア戦

多摩川の河川敷テニスコート脇の桜(写真)は、早や盛りを超え、赤みがかったさくら葉が芽吹きつつあります。春爛漫とはいいがたい、底冷えする花曇りの空の下、花見客がダウンジャケット姿でバーベキューを楽しんでいました。
今年の春は、穏やかな日差しに包まれて桜を楽しむ日がほとんど無かったような気がします。このまま、冷え冷えとした日が続き、梅雨入りしてしまうのではないかと心配しています。ちょうどW杯を前にした日本代表のように。本来であれば、桜の季節に開花し、若葉の季節に輝きを増し、本大会で絶頂期を迎えるはずでした。しかし、バーレーン戦でわずかに蕾がほころんだ感があり、かすかな望みは残したものの、いまだ、開花の兆しは見えません。水曜日のセルビア戦が、日本代表のお花見の最後のチャンスとなります。満開などとは贅沢はいいません。せめて、五分咲きの日本代表を見たいものです。このところ空席が目立つ代表戦ですが、セルビア戦は久々にチケットが完売したとのことです。サポーターの熱い気持ちで、代表の花冷えだけは吹き飛ばしましょう。