2010年6月7日月曜日

日本代表に必要なもの

日本のアニメのうち海外で有名なのは、「ポケモン」、「ドラゴンボール」、そして「キャプテン翼」でしょう。漫画を読んでいた訳ではないので、中身はほとんど知らないといった方が正しいのですが、舞台の南葛市が旧清水市ということもあり、大空翼の笑顔が小野伸二にダブったりして、気になる漫画ではあります。その小野伸二が元気です。伸二の活躍に引っ張られて、エスパルスがJ1首位を快走しています。ブラジル流サッカーをベースとする清水のチームでありながら、澤登や伊東に代表されるように、どちらかというとストイックなサッカーを展開してきたエスパルスに「サッカーの楽しさ」というエキスを注入したのが、伸二の最大の功績であり、エスパルス好調の原因ではないかと思います。思い起こすと、99年ワールドユース準優勝時のシンジのチームは、あのトルシエの重圧の下でも、本当に楽しそうにサッカーをしていました。本山がドリブルをしかけ、高原がゴール前に飛びこむ。小笠原が伸二とクロスし、中田浩二がオーバーラップする。それぞれがキラキラと輝いていました。その伸二のチームは、2000年シドニー五輪では、肝心の伸二を負傷の為に欠き、本来、円熟したチームとして臨むはずだった2006年ドイツW杯は、メンバーのほとんどがベンチを余儀なくされ、予選リーグ敗退後、伸二をして、「俺たちのチームだったら、結果は変わっていたかもしれない」とつぶやかせました。
今更、伸二のチームを望むべくもありませんし、伸二の代表落選は已むを得ないかもしれません。しかし、今、代表に必要なのは、伸二の「明るさ」であり、「サッカーを楽しむ心」ではないでしょうか。今の代表は、どこかで、「サッカーを楽しむ」ことを忘れてしまいました。その余裕すら失ってしまったというべきかもしれません。今、開き直って出来ることは、チームコンセプトを徹底したり、90分間プレスをかけ続ける体力をつけることではなく、「サッカーを楽しむ心」を取り戻すことではないでしょうか。昨年の夏頃までは、それが出来ていたはずです。悲愴感からは何も生まれません。「サッカーを楽しむ心」が究極まで高まり、恍惚に達した時、「ゾーン」に入り、信じられないプレーが生み出されるものなのです。
W杯の舞台で、日本代表が「サッカーを楽しみながら」のプレーを繰り広げ、「キャプテン翼」を実演した時こそ、世界にサプライズと感嘆を惹き起すことが出来ると思うのです。カメルーン戦まで、あと1週間。

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