2011年7月7日木曜日

Project Tohokny - 原風景を漕ぐ

諏訪湖畔の市街地の夜景を見下ろす薬師平茜宿の露天風呂を満喫した後は、翌日行程の作戦会議。シェフパTの登山靴が不調で靴擦れが激しく、救護班Dr.Kのテーピングの技をもってしても登山は危険と判斷し、観光への変更を決定。この軟弱そのもののリスク管理が、我が秘湯・登山愛好倶楽部の真骨頂でもあります。
プロジェクト2日目は安曇野をサイクリング。駅前でレンタサイクルを借りて、観光スポットを巡りながら大王わさび農場に。安曇野は北アルプスの山並みに抱かれた美しい町で、映画やTVドラマの舞台としてしばしば登場します(現在(いま)もNHK連続TV小説「おひさま」の舞台となっています)が、私にとっては、今回が初めての訪問でした。駅前の小さな商店街と住宅地を抜けると一面の田園風景が広がっています。水を湛えた田圃にそよぐ緑の苗。畦道を覆うシロツメクサ。藻が茂る疎水。そんな風景の中で自転車を漕いでいると不覚にも涙がこぼれてきそうになりました。Dr.Kは安曇野を日本の原風景と表現していましたが、その田園風景は私にとって原風景そのものでした。製紙工場の煙突の彼方にそびえる富士山と北アルプスの山並みとの違いはありますが・・・。シロツメクサで冠を編んで遊んだり、田圃でオタマジャクシを採ったり、疎水をポリタンクと発泡スチロールを組んだ筏で下ったり。そして、高校時代は田圃沿いの道をまさに自転車で通学したものでした。人格は、勿論、人との交わりの中で形成されるものですが、自然環境やいつも眺めている風景も大きく影響するのではないかと思います。原風景とは、人の精神性に深く刻み込まれた隠し絵のようなものなのかもしれません。その風景に出会うと、えも言われぬ懐かしさに心が揺さぶられる。失われつつある原風景とともに、日本人の心の大切な部分が損なわれつつあるように思えるのは、単なる感傷でしょうか。(写真は「おひさま」の撮影セット)

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