2011年5月4日水曜日

被災地を訪れて その1

4月29日夜から5月3日未明まで被災地復興支援の現地ボランティアに行ってまいりました。現地で感じたことを何回かに分けて書いてみようと思います。まずは、ボランティアの現実から。
GW中はボランティア希望者の数が急増し、受入れ体制が取れないとの理由で、各被災地とも県外からのボランティアの募集を中止していました。その中で、RQ市民災害救援センターという団体が募集を継続していましたので、応募して現地に向かいました。RQは、エコツーリズム普及を目指すNPOが進める支援活動です。アウトドア派の集まりだけに、ライフラインの途絶えた中での自給の生活はお手のもので、ボランティアの募集も自給を前提としており、ボランティアの現地での生活支援は行わないこととなっています。RQは、被害の少ない内陸の登米市に本部を置き、そこから、宮城県北部沿岸部の気仙沼、南三陸、河北にボランティアを送って、支援活動を行っています。仙台から石巻までの地域は、復旧が着実に進んでいますが、石巻以北・岩手県は復旧活動が遅れており、ボランティアも仙台からのアクセスが不便な為、不足している状況です。RQは、活動開始以来1ヶ月で実に延べ4千人のボランティアをこの北部地域に送り出してきました。しかしながら、この人数は、仙台~石巻地域の1日分のボランティア数に過ぎません。
写真は、RQの登米市ボランティアセンターです。小学校の体育館を提供頂き、支援物資の仕分け作業を行うとともに、本部・宿泊場所として利用しています。寝泊まりは、体育館の床に張ったテントの中で寝袋で寝ます。テントの下に段ボールを敷きましたが、それでも床から冷気が伝わってきます。避難所で毛布1枚で寝ていらっしゃる方々の辛さは幾ばかりかと想いやられます。ここでの食事は、ご飯とみそ汁を食事担当者が作り、各自での火気を使った自炊は禁止されています。朝食時に各自おにぎりを作って作業時のお昼ごはんにします。
初日の作業は、支援物資の仕分け。雑多に詰められた物資をバラして、分類ごとに箱詰めし直します。衣類であれば、男性用・女性用・子供用に分け、更にサイズ別に詰め替えるというものです。この作業を行なわなければ、被災者の皆さんへの支給作業を行うことが出来ません。仕訳作業が追いつかず、支援物資がそのままになっているのが各自治体の実態のようです。日用品を仕分けして驚かされたのが、歯ブラシと固形石鹸・リンスの異常な多さ。歯ブラシはホテルのアメニティが大半を占めていました。固形石鹸はお歳暮の残りでしょうか。シャンプーに比べてリンスの数が倍以上多いのは何故・・・?考えさせられたのは、「支援物資の悪い例」と書かれ、「悪い」がバツ印で消され「良くない例」と訂正されていた箱。中身は折込み広告の紙で折られた蓮のような花の折り紙。被災者の方々にとって役立つものではありませんが、一生懸命折った方(恐らくお婆ちゃん)の気持ちを考えると「良くない例」という風に切り捨ててしまうのには、抵抗を覚えます。また、ちびた色鉛筆がいっぱい詰められた鉛筆ケース。使用後のものは、新品のものと仕訳せざるをえないのですが・・・。今、被災者の方々に必要なのは実利ですが、気持ちは伝わるのではないかと思うのは、あまりにナイーブ過ぎるでしょうか。

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