2011年5月27日金曜日

Veteran's Bible - カズに学べ

雑誌Number5月26日号に「明るく生き抜くベテランの思考法 ‐ Veteran's Bible」というタイトルで、ベテランサッカー選手のインタビュー特集が組まれていました。ピークを越えたサラリーマンにとって、人生訓ともいえる内容で、興味深く読みました。ベテランとはいえ、30代か40歳前半のメンバー。スポーツ選手の加速され、凝集された生き様にも、ある種の感動を覚えずにはいられませんでした。
まずは、チャリティマッチで感動のゴールを決めたカズ。「自己プロデュース」がキーワード。独特のファッションに象徴されるように、日常生活の細部にわたるまでこだわり、自己プロデュースをすることで、人生の「谷」も楽しんできたと語っています。だから、常にモチベーションを保つことが出来る。今でもW杯出場が夢と語るカズ。そのカズが「神様に『W杯に出してやる。でも、その代わり一生アルシンドヘッドだ』と言われたらどうしますか?」との読者からの質問に「断わります」とキッパリ。なるほど、これもこだわり。
代表引退を表明した俊輔。「あなたにとってサッカーとは」との質問に「趣味・特技」。自分の最も好きなもの、得意なものが職業であり、人生そのものである幸福。一方で、「だから、オレ、辞めたとき、抜けガラになるんだろうなって思う」という悩み。それでも、この根っからのサッカー小僧は、「海外クラブの監督」という第2の人生をイメージし始めているようです。
日本サッカー史上最高の天才、小野伸二。99年のシドニー五輪予選フィリピン戦で負った左膝靭帯断絶の大怪我以来、自らのイメージと現実とのほんのわずかなズレに悩まされていました。そして、あのドイツW杯豪州戦。日本代表は小野の交替出場後立て続けに失点し、逆転負けを喫してしまいます。小野は「正直、攻めるのか、守るのか、役割がわからず、チームのバランスを崩してしまった。自分が日本にとっての大会を壊してしまったという責任を今でも感じています」と語っています。ドイツからの帰国直後、小野は引退すら考えたそうです。あれから5年。地元清水に戻った小野は、高校時代のあの太陽のような笑顔を取り戻しています。「楽しむ」という彼のサッカーの原点を取り戻して。
岡野・服部という2人の元日本代表選手を獲得してJ2 昇格を果たしたガイナーレ鳥取の塚野社長がこう言っています。「私はベテランって、個性だと思うんです。ベテランを必要としているというよりは、キャラクター、個性を必要としているんです」個性は決して若者の特質ではなく、個性を磨き抜いた人のみがベテランと呼ばれるのかもしれません。

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