2011年9月22日木曜日

生酒とひやおろし - U-22マレーシア戦

台風が首都圏を直撃し、暴風雨の最中、馬喰町「岡永倶楽部」の「ひやおろし試飲会」(写真)に参加しておりました。台風の影響で参加者が半分以下となってしまいましたが、その分酒飲み同士の親密感が高まったとても良い会でした。
冬に仕込まれた日本酒は、春に低温加熱(火入れ)が行われ、発酵が止められるとともに殺菌処理がされます。1度目の火入れをされたお酒は蔵で寝かされながら、熟成が進みます。一夏を越して蔵出しされ、2度目の火入れ(殺菌処理)をされたお酒が瓶詰めされて店頭に並ぶ訳ですが、この2度目の火入れを行わずに瓶詰めされたものが「ひやおろし」です。熟成樽の大樽から小分けの木樽にひやのまま卸していたところからひやおろしと呼ばれるようになりました。2度目の火入れによって損なわれてしまう日本酒本来の香りや微妙な風味・旨味が残っており、「お酒を味わうならひやおろし」と言われています。そうであれば、最初の火入れも行っていない生酒がもっと美味いのではないかと素人考えで思ってしまいます。そこで、同じ銘柄の生酒とひやおろしを飲み比べてみました。甘味、辛味、旨味、果実味、香りなど日本酒の様々な味わいがストレートに伝わってくるのが、生酒。力強い味わいですが、どうしてもそれぞれの味や香りが暴れてしまうきらいがあります。一方、熟成されたひやおろしは、味がバランス良く落着き、かどが取れてまろやかな風味になっています。日本酒の深さを再認識させられた至福の飲み比べでした。
さて、U-22マレーシア戦。乱れに乱れたダイヤの交通機関を乗り継ぎ、零時過ぎに家に戻ってからの録画観戦となりました。ホームとはいえ、初戦の硬さの中で2‐0の勝利はまずまずだったと思います。2点とも、このチームの良さが出た美しいゴールでした。起点はいずれも清武。特に1点目のノールックパスは彼のサッカーセンスの高さが見事に現れていました。清武の他にも、スピードの永井、突破力の原口、ゴール感覚抜群の大迫、高速クロスの酒井、バランサー山村と、この世代は個性豊かで且つJリーグでもレギュラーに定着している経験豊かな選手が多数います。ここに海外組の香川や宮市が加わるかと思うとワクワクする布陣となります。ただ、まだ、生酒。それぞれの個性が弾けて、まだチームとして熟成するに至っていません。五輪予選を通じて、火入れされ、しっかりと熟成し、個人の個性をチームの個性に昇華させ、来年のロンドン五輪では香り高く、まろやか、且つ、芳醇な日本酒「ひやおろし」の美味を世界に知らしめてくれるものと期待しています。
ところで、難病バセドウ病と闘っていたジュビロの山崎が代表に戻って来ました。復帰後いきなりのゴール。夏の間じっくりと熟成していたのでしょう。

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