2011年9月4日日曜日

ノルウェーの森

以前、尻切れ蜻蛉になってしまったテーマの続きです。原題はNorwegian Wood。この言葉は曲の中でこんな風に出てきます。「僕は彼女の部屋に誘われた。部屋の中はNorwegian Wood。僕らはワインを飲みながら、夜中の2時までしゃべっていた。彼女が「明日は仕事があるから」と先に寝てしまったので、僕は仕方なくバスタブで寝た。朝、目が覚めると僕は一人ぼっちだった。鳥は飛びたっていた。だから、僕は火をつけたんだ。Norwegian Wood。」Norwegian Woodを「ノルウェーの森」と訳すと随分幻想的な歌詞になりますが、ノルウェー材と訳すのが正解のようです。(邦題をつけた東芝EMI高嶋ディレクターも、誤訳であることを認め、最悪の訳だと語っています。)英国ではNorwegian Woodといえば、安アパートの松の木の内装を指します。ただ、「ノルウェーの材木」とか「安普請の内装の部屋」っていう邦題はさすがにつけられません。小説「ノルウェイの森」の作者村上春樹氏は「Knowing she would」(オレは彼女がヤらせてくれると知っていた)という言葉の語呂合わせで「Norwegian Wood」という題名がつけられたという説を紹介しています。これでは、折角のシタールの音色が台無しになってしまうお手軽な曲になってしまいます。村上春樹氏が小説のタイトルにするのを躊躇した原因かもしれません。ところで、写真は、映画化された「ノルウェイの森」が英国で公開された際のポスターです。英語タイトルの翻訳者は、ちょっと複雑な心境だったと思います。

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