2010年10月25日月曜日

グリーンリボン・ランニング・フェスティバル

最近は、乳がんに関する啓蒙活動のシンボルマークであるピンクリボンが有名ですが、臓器移植医療啓蒙活動のシンボルマークであるグリーンリボンの方が、世界的にみると歴史が古いそうです。グリーンは成長と新しい命を意味し、リボンはギフト・オブ・ライフ(いのちの贈り物)によって結ばれたドナーとレシピエントの命のつながりを表現しています。
10月24日NPO法人日本移植者協議会の主催で、グリーンリボン・ランニング・フェスティバルが開催されました。10km、3km、駅伝、親子ペアランが、国立競技場と神宮外苑コースで行われました。昨今のランニングブームで、特に10kmは応募者が多く、大変な人気だったようです。何しろ国立競技場のトラックを走れるというのは、めったにないチャンスで、これに魅かれた人が多かったのではないでしょうか。かくいう私もそのうちの一人です。フェスティバルにはボランティアとして参加し、3kmランに参加しました。3kmランの方は、この日に向けて、この2ヶ月週1回程度のペースで走っていましたが、20分の壁が破れず、最後尾を走る悪夢にうなされていました。ところが、大勢の中で走ると、ペースに乗せられて、自己ベストを3分以上上回る16分53秒でゴールすることが出来ました。参加者の真ん中よりやや後ろという感じでした。改めて、「みんな」の中で得られるパワーというものを実感した次第です。このイベントは、臓器移植者、提供者が障がい者や一般の健常者と一緒になって走り、「いのち」と「健康」の大切さを分かち合おうという目的で行われているものです。開会式では、臓器提供者への感謝の気持ちを込めて、一斉に風船を空に向かって放つセレモニー(写真上)が行われました。緑・赤・白の3色の風船は、移植者・提供者・一般人を意味しているのかもしれません。象徴的で感慨深いセレモニーでした。このイベントは、3,500名のランナーと数百人のボランティアによって実現しました。寄付をしたり、署名をしたり、セミナーを開催したりという、いわゆる「助ける」活動は勿論大切ですが、今回のような「秋の日に爽やかな汗を分かち合う」イベントも「一緒に生きている」ことを確認する上で、とても意義深いものだと思いました。
ボランティア活動は、フェスティバル終了後の道路のコーン片付けとスタジアム観客席のゴミの回収。このようなイベントは、色々な部分でボランティアに支えられているということを改めて実感した次第です。コーンを担ぎながらランニングのコースを遡るのも精神的にきついものがありましたが、スタジアムの階段も筋肉痛の出始めたふくらはぎにこたえました。下の写真は、憧れの国立のピッチの芝です。もちろん、ピッチには立ち入ることは出来ませんでしたが、ここまで芝を間近かに見ることが出来て、満足です。不謹慎と怒られそうですが、ボランティアのささやかな役得としてご容赦下さい。
このフェスティバルを通じて蒔かれたグリーンリボンの種が、このピッチの芝のように青々と芽吹いて、広がっていくことを祈りたいと思います。本当に気持ちの良い秋の一日でした。

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