2010年10月18日月曜日

台湾紀行2 - 天燈

台湾2日目の旅程。松山オフィス街でビジネスマン向け台湾ファーストフードの朝食→故宮博物館→野柳地質公園(「クレオパトラの横顔」の奇岩)→金山金包老里街の老舗鴨肉食堂で昼食→烏來(トロッコ列車、白糸瀑布)→菜心のママの菜園でママのおもてなし晩餐→ぎょう河街観光夜市。と、書いているだけで、自分でも驚かされるイベントのぎっしりつまった長い一日でした。
菜心のママのお父さんは、台北でも有名な茶園の経営者で、台北市北東部の山一帯を保有しています。台北に戻ったママは、お茶作りを手伝う一方で、山の一部に「王家の菜心の菜園」と名付けた畑を拓いて、野菜や果物を育てていました。菜園の中の(製茶作業所の一部を改造した)ママの別荘での晩餐は、菜園で採れた果物(パパイヤ・釈迦頭・ドラゴンフルーツ・蓮霧・菱の実)に始まり、鶏の丸焼き、採れたてのネギ、茄子、サツマイモの葉を調理した台湾家庭料理という超豪華版。
食事の後は、前庭に出て、「天燈(テンダイ)上げ」を楽しみました。天燈は、針金で留め合わせた竹片の輪に4枚の大きな紙を風船状に貼り合わせ、灯油をしみこませた紙の束をつるした、いわば紙製の熱気球で、子供がすっぽり入る位の大きさをしています。紙風船の4面に願い事を書いて、皆んなで一斉に夜空に飛ばすというとてもロマンチックな台北の伝統行事で、旧正月に行われるとのことです。風船の端を2人か3人でつまみ、つるした紙の束に火をつけると、風船がみるみる膨らみます。「行ってらっしゃい」という掛け声とともに手を放すと(写真上)、天燈は儚げな灯りを揺らしながら舞い上がっていきます。数十mまで上昇した天燈は、気流に乗って数km先まで飛んでいくとのことです。雨があがったばかりの漆黒の闇空に、淡いオレンジ色の灯りが上っていき、やがて視界の外に消えていく様は、神秘的であり、ある種の感傷を呼び起こします。晴れた日であれば、天の川がくっきりと見えるそうです。「天の川を流れていく天燈を見せてあげたかった」と菜心のママは曇り空を恨めし気に見上げていましたが、ママの手作りの天燈の灯りが天に帰っていく姿(写真下)をみただけで十分でした。願いが本当に叶いそうな気がしました。

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