2011年8月2日火曜日

なでしこ現象考 - その2

澤のネイルアートは川澄の作品。ジャパンブルーとゴールドを基調にし、シルバーは使わなかった。川澄は料理も得意らしい。普段着のファッションセンスがいいのは澤。丸山がAKB48の衣裳を着せられて「会いたかった」を歌わされるが、音が高すぎてキーを外す。川澄がお笑いタレントの突然の求愛に「ゴメンなさい」。これは、サッカー専門番組で披露されたなでしこの話題と番組の一コマです。ましてや、他のバラエティ番組での取り上げ方は酷いものでした。
凱旋帰国した男子の日本代表に「どんな女性が好きですか?」「一番モテるのは誰ですか?」「髪の毛を短くしたのは何故ですか?」「結婚したいですか?」なんて聞かないだろうと、多少憤りながら番組を見ていましたが、よく思い出してみたら、同じような質問してたかもしれませんね。でも、さすがに遠藤にガチャピンの着ぐるみを着せてコロコロPKをさせるようなことはなかったと思います。
スポーツは文化です。特にサッカーには国民性やその国の社会情勢が色濃く反映されます。それがサッカーの面白さです。なでしこ達が偉業を達成し、女子サッカーがようやくメジャースポーツになろうとしている絶好のチャンスに、それを後押しすべきマスコミが、未だに時代錯誤の「女子供」感覚でしか扱っていないというのが、残念でなりません。これが日本のスポーツ文化の現状であり、女性のおかれた社会状況の現実なのかもしれません。米国のニュース番組では、GKのホープ・ソロが「かつてのチームメイトだった宮間がゲーム終了後真っ先に慰めにきてくれた。彼女は我々の気持ちを察して喜んでいる表情を見せなかった」と語り、なでしこ達の敗者を思いやる態度を讃えていました。FWのワンバックも「私は2度米国の勝利を確信した。でも、驚いたことに彼女たちは決して諦めなかった」となでしこ達の精神力に脱帽しています。これらの発言は日本の報道でも引用されていましたが、果たして、なでしこ達に米国代表の強さ、潔さについて質問したマスコミがあったでしょうか?かつて、オシムは「マスコミは父親である。暖かく見守りつつも厳しく叱責することで、子供は育つ。」と語っていました。スポーツ文化の成熟の為にはスポーツジャーナリズムの成熟が不可欠です。
ところで、女子サッカーW杯と同時期に米国オクラホマシティで女子ソフトボールW杯が開催されていたことを知る人は少ないと思います。日本は惜しくも準優勝でした(写真)。もしかしたら、3年前の北京五輪で金メダルを獲得して大フィーバーを惹き起したということを覚えている人も少なくなっているかもしれません。なでしこに同じ運命を辿らせてはいけません。

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