2010年11月3日水曜日

歓喜 - ナビスコ杯決勝

Jubiloはポルトガル語で「歓喜」を意味します。ジュビロ磐田の名前には、サポーターをはじめ、全ての人々に感動と喜びを与えるという意味が込められています。10年前のジュビロ全盛時代には毎試合歓喜を与えてくれました。しかしながら、世代交代に失敗して長い低迷期に入り、一昨年にはJ2との入替え戦の末辛うじてJ1 に留まるという苦い経験も積みました。2003年度の天皇杯優勝以来、タイトルから遠ざかっています。一方のサンフレッチェ広島は優勝すれば初タイトル。国立でのナビスコ杯決勝は、両チームの緊張感がピッチ全体を覆いつくしているような重たい立上りでした。両チーム通じての初シュートが前半15分上田のFKという、双方とも慎重に守備を固め、ラストパスを通させないという展開。前半36分の船谷のヘディングシュートによるジュビロ先制からゲームは一挙に加熱し、ボールキープ率では圧倒的にジュビロながら、カウンターからの少ないチャンスを確実にものにした広島が、後半3分に2-1と逆転。押しに押しながらゴールの遠いジュビロ。流れは完全に広島。勝負のあやは、両監督の采配でした。後半15分、先制点をあげた船谷に替えて菅沼投入。ジュビロ柳下監督が動き、この采配がズバリ当たりました。その菅沼に左サイドを切り裂かれ続けた広島は、残り10分、たまらずミキッチを下げて守備固めに入ります。佐藤寿人を負傷で欠き、李は同点ゴールシーン以外はほぼ封じ込められ、唯一機能していたミキッチを下げてしまった広島ぺトロヴィッチ監督は自ら3本の矢を折ってしまった感があります。一方、柳下監督は、ジウシーニョに見切りをつけて山崎を投入し、更に勝負に出ます。流れはジュビロに傾き、終了間際の前田の同点弾は必然ともいうべき展開となりました。延長戦に入っての菅沼、山崎の立続けのゴールという交替采配がズバリ当たっての柳下監督快心の勝利でした。主催者発表のMVPは前田(2ゴール2アシストと数字上は文句無し)でしたが、真のMVPは120分間ピッチを走り回り、攻守の要そして起点となり続けた西だと思います。そして、影のMVPは柳下監督。と、勝手な評論は出来ますが、リーグ戦から中3日のジュビロに対して、広島は中2日というハンディを負っており、延長戦に入ったら不利は明らか。ぺトロヴィッチ監督として守りに入らざるをえなかったのは已むを得ない選択でした。また、1点ビハインドの状況で、点を取りに行った柳下采配も当然といえば当然。しかしながら、一方は名采配と称えられ、一方は敗戦の責任を一身に負うという、指揮官とは厳しい職務です。
今回は、新潟から駆けつけた反町姫と久々に再会し、神保町の中華料理店で祝杯をあげました。「歓喜に包まれて」といいたいところですが、あまりにも長い間歓喜から離れていたせいか、どうも喜び方がしっくりきません。常勝ジュビロ復活に向けての第1歩を踏み出した記念すべき日に、とりあえずは乾杯。(写真は国立ジュビロサポーター席の歓喜の瞬間)
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