2010年11月27日土曜日

晩秋 - 薔薇、蕾、朝露

以前、薔薇の剪定について書きましたが、秋咲きの薔薇が終わって、再度剪定された枝の先から咲き遅れた花の蕾が出ているのを見つけました。ピンク色の可愛らしい双子です。晩秋の朝の柔らかな陽射しに朝露をきらめかせながら、思いがけない冷気に身を固くしている風情でした。彼女達が花を開かせる頃には、更に温度が下がっているかもしれません。寒気漂う中で、弱々しい太陽を仰ぎ、敷きつめられた銀杏の落ち葉を見降ろしながら、咲き遅れた薔薇の花達は何を想うのでしょうか。初夏の溢れんばかりの陽光を満喫した姉達の幸運を羨み、自らの境遇を恨むのかもしれません。最後を飾る花となることに誇りを感じて、精一杯背筋を伸ばし、凛とした姿で、香り高く、美しい花を咲かせて欲しいものです。応援したいと思います。
(それにしても、日本語は偉大です。朝露、薔薇、蕾。美しい漢字です。「薔薇のつぼみ」も秘密めいていますし、「バラのつぼみ」も可愛らしさを端的に表現しています。美しい日本語を大切に伝えていきたいものです。)

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