2010年7月7日水曜日

最後に正義は勝つ?

「正しかるべき正義も時として盲しいることがある。」は、米国TVドラマ「逃亡者」の冒頭ナレーションの一節です。「リチャード・キンブル、職業医師」で始まる伝説的なナレーション。矢島正明さんの抑えの利いた渋い声と目隠しをされた正義の女神テーミス像の映像を記憶されている方も多い(?)かと思います。
今回のW杯は、ハンドの反則が厳しく取られる一方で、「神の手」も多く見られ、「正義も時にして盲しいる」場面に多く遭遇した感があります。シリコンバレーのサッカー小僧GNさんから、「正義は勝つ」というメールを頂きました。準々決勝の結果を評するメールです。「テベスのオフサイドゴールのアルゼンチンは手ひどい制裁を受け、『彼の手』(※)ゴール、ルイス・ファビアーノのブラジルも代償を払わされることとなった。やはり、正義は勝つ」というものです。次に裁きを受けるのは、バレーボールブロックのウルグアイ(写真)と、イングランド戦、世紀の誤審に後押しされたドイツということになります。ただ、様々なものを味方につけることもW杯で勝ち抜く重要な要素です。運も実力のうちということです。正義の女神テーミスの目隠しは「公正無私の裁き」の象徴とのことです。誤審もサッカーという競技の一部なのです。(※「彼の手」ゴール:ゴールにつながったハンドを「神の手」と表現したルイス・ファビアーノにマラドーナが「あれは神の手ではなく、彼の手」とコメント)
女神といえば、勝利の女神二ケは有翼の女神で、サモトラケの二ケ像が有名ですが、英語ではNike。Nikeのロゴはこの女神の翼をイメージしたものです。勝ち残ったチームで胸にスウッシュを付けているのはオランダのみ。準決勝では、勝利の女神は微笑んでくれましたが、気紛れな女神はオランダに最後まで微笑み続けてくれるのか。
一方の準決勝カードは、ドイツが裁かれて、スペインに是非決勝進出を果たして欲しいものですが、ドイツには3964のジンクスが味方しています。W杯の優勝年を合計すると3964になるというジンクスで、ドイツ(1974+1990)、アルゼンチン(1978+1986)、ブラジル(1970+1994、1962+2002)で実証されています。3964-2010=1954年(スイス大会)の優勝国はドイツです。また、このジンクスによると、次回ブラジル大会は3964-2014=1950年(ブラジル大会)で、優勝国はなんとウルグアイ。マラカナンの悲劇が、半世紀以上の時を経て、繰り返されるということになりますが・・・。(ジンクスについては、6月2日付ブログに詳しく書いています。)
それにしても、準決勝オランダvsウルグアイ戦の完璧なロングシュート2発。あそこからゴールを打ち抜かれるとなると、サッカーそのものが変わってしまう可能性があります。今回のW杯が残した潮流のひとつでしょうか。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

滋賀のKです。なにか4年前のドイツ大会を思い出す展開となってきました。ドイツ大会もベスト16の顔ぶれを見たら南米勢強しと思っていたら、結局総崩れ。今大会もその流れとなってしまいました。原因だとか要素だとか野暮なことは言いませんが、個人的にはウルグアイやパラグアイのようなアルゼンチンやブラジルの個の集団とは一味違う南米的トータルサッカーが大好きですので、ウルグアイの敗退は大きな落胆です。今晩のドイツvsスペインは勢いのドイツか総合力のスペインか決勝のカードとしてはスペインが勝ち上がった方が熱くなれそうな気がします。ドイツが勝ち上がって3位決定戦でウルグアイvsスペインなども見てみたい対戦です。残すところ3ゲームとなりましたが、3時起きは結構辛いですね。