2009年6月20日土曜日

W杯Best 4・・・への道

豪州戦の後、「W杯でBest4になれるんですか?」という素朴な疑問をぶつけられる機会が増えました。4年に1度のサッカーファンの方々が、このような疑問を抱かれているようです。FIFAのランキングからいっても、日本はW杯に出られるか出られないかのギリギリのライン。豪州との1-2での敗戦は現在の実力を反映した結果でしょう。したがって、W杯でBest4というのは、まずあり得ない結果であるといわざるを得ません。ただ、ここまで有名になった岡田監督の「W杯Best4」という目標の意図は何なんでしょうか。
写真は、98年フランスW杯出場権を得たジョホーバルの歓喜の記念ポスターです。当時の岡田監督は、「1勝1敗1分での予選リーグ突破」を公言していました。極めて現実的な目標である半面、最初から正直に「負け」を計算していることに対する批判も少なくありませんでした。当時の日本はどう考えてもW杯出場国の中で最も弱いグループに属していましたし、その中で、予選リーグを突破するには守備的戦術を取って、とにかく守り抜いて勝ち点を拾っていかざるを得ませんでした。そして、その戦略では、運よく予選リーグを突破しても、その上に行く幸運は望むべくもありませんでした。要は岡田監督は「1勝1敗1分」という目標を公言することで、受け身の守備的戦略を宣言していた訳です。サッカー先進国の監督の多くが、「まずは予選突破、そして、Best4」という控えめな目標を掲げます。彼らは、W杯の難しさを身を以て知っているからです。その中で唯一シモンエス監督だけが「優勝」という目標を掲げていました。彼は、「夢を見るのは自由だ」と付け加えていました。彼が率いるジャマイカはクロアチアに3-1、アルゼンチンに5-0と玉砕した後、日本に2-1と勝利し、W杯初勝利をあげました。現実主義が夢の前に屈した瞬間でした。
今回の岡田監督は、「Best4を目指すサッカー(=日本らしいサッカー)」で本戦に臨むと宣言しているのではないでしょうか。結果は惨敗での予選敗退かもしれません。あるいは、世界を驚かせる戦いぶりで大金星をあげ、予選を突破するかもしれません。ただ、結果は別にして、W杯常連国としてのプライドを持った戦いを繰り広げていきたいということだと思います。日本サッカーの将来を見据えた場合、避けては通れない過程です。岡田監督の真意が「Best4」という結果を目指しているのではなく、「Best4のチームらしいサッカーをする」というところにあるならば、それを支持したいと思います。

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