2011年2月10日木曜日

長友インテルデビュー

マスコミの決まり文句というのがあって、デビュー戦で活躍すれば「衝撃のデビュー」「鮮烈なデビュー戦」。活躍できなければ「ほろ苦デビュー」。
長友の場合は、得点にこそ絡めなかったものの上々の活躍で、サン・シーロ(※)のサポーターにも衝撃を与えたと思います。まず、スナイデルとの交代出場というのが凄い。しかも、ちゃんとエトー、カンビアッソ、サネッティ、マイコンといった超一流選手と絡んでいたというのが鳥肌ものです。
その意味で、「衝撃の」という形容句が適当なのでしょうが、むしろ、映像を見ていて、「安定した」という凡そデビューという単語にはそぐわない言葉が浮かんできました。気負ったそぶりもなくピッチに入り、いきなりのミリトとのワンツーリターン。その後も、積極的なオーバーラップに呼応して、必ずボールが出てきます。守備でもボールを一旦預けられるシーンがしばしば見受けられました。本人は「周囲との呼吸はまだまだ」と語っていますが、チームメイトからしっかりと信頼をかち得て、既にチームの一員として溶け込んでいるのが窺えました。デビュー戦というのを感じさせない安定したパフォーマンスでした。ただ、相手のローマが退場者を出して1人少ない10人だったこと、後半30分からの出場で、相手の足が止まっていたことも勘案すると、今回の活躍を額面通り受取ることは出来ません。その意味で、決定的な2本のクロスがゴールに結びつかなかったのは、今後を考えると却って良かったのではないかと思います。(それにしても、2本目の決定的なマイナスのラスト・パスをカンビアッソがスルーしてしまったのは・・・。一瞬柳沢が乗り移ったのでしょうか?)長友自身「これからまだまだ良くなる。マイコンとは切磋琢磨していきたい」と、浮かれることなく、淡々と語っています。日本代表の左の翼が、力強く羽ばたき、更なる高みに向かっています。
(※) サン・シーロ : インテル、ACミランのホームスタジアム。欧州サッカー通のSuper-Rooneyさんによると、インテルファンはサン・シーロの名称は使わず、ジュゼッペ・メアッツァと呼ぶとの由。

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