2010年12月8日水曜日

The Long and Winding Road

The Long and Winding Roadはビートルズの日本でのラスト・シングルとして発表された楽曲です。ビートルズの曲の中でも特に好きな曲のひとつです。メロディラインの美しい幻想的な曲ですが、「君の所へ続いているはずなのにいつもこの道に戻ってきてしまう、君に辿りつけない曲がりくねった道」というとても切ない悲しい歌詞でもあります。
前回のブログで車椅子の心象風景を綴ったのは、車椅子の母親と久し振りに会ったせいもありますが、生きていくということが曲がりくねった道を車椅子で行く光景とダブって見えたということもあります。人は多かれ少なかれ、何かを背負い、痛みや不随意と折り合いをつけながら、生きています。どうしても乗り越えられないものに直面したり、人の助けを借りなければどうしようもない局面もあります。表現が不適切かもしれませんが、それは重荷を背負って歩いていくというよりは、車椅子での歩みに似ているのではないかと思うのです。その車椅子を代わるがわる押してくれる人たちを有している人は本当に幸せです。ただ、その押してくれるペースとの折り合いはとても微妙ですし、かえってそれがストレスになる場合もあります。とても難しい問題です。自分のペースで車椅子を漕ぎながら、その前後をゆったりと歩んでくれる人たちがいる人も本当に幸せです。The Long and Winding Roadはどこにも辿りつけない道かもしれません。でも、その道を、時には誰かの車椅子とともに歩み、あるいは、自ら車椅子を精一杯漕ぎながら誰かの後を追い、時にはゆっくり漕ぎながらも、すぐそばを時々立ち止まっては一緒に歩んでくれる人の気配を感じながら進んでいくことが、人生なのだと思います。
今日は、ジョン・レノンの没後30年の命日です。彼は、多くの人々との「愛と平和の共有」を願った人でもありました。

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