2011年10月26日水曜日

ビートルズが教えてくれた

先週末いつものAbbey Road Lonely Hearts Club(勝手につけた名前です)のメンバーとThe Parrotsのライヴを満喫して参りました。今回は、Oさんの還暦祝いも兼ねていたので、参加者9名の大所帯。お店自体も初回ステージから満席状態。女性客が多かったせいか、ステージは一段と盛り上がり、A Day in the Lifeのエンディングのうねりは、琴奨菊にがぶり寄りをされているような錯覚を覚える大迫力の演奏でした。
さて、36年前の今日、外貨獲得に貢献したとして、ビートルズに大英帝国勲章(Order of the British Empire:写真)が授与されました。Orderは「勲章」と日本語訳されていますが、「騎士団」を意味し、5等級の上位2等級叙勲者にはナイトの称号が与えられ、サーの敬称で呼ばれることになります。(マンUのファーガソン監督が叙勲しています。また、のちにポールも叙勲しています。)ビートルズに授与されたのは、最下等級5等級のMBE(団員)。それでも、ビートルズへの叙勲に「リバプール出身のオカッパ頭のいかれた連中に叙勲するのは、勲章の権威を汚すものだ」と武功で叙勲した元軍人などから批判が相次ぎ、ビートルズの叙勲に抗議して863個もの勲章が返却されたということです。
この批判に対して、ジョンは「僕らの叙勲に不満をもらした人たちは、戦争で人を殺して、それで勲章をもらったんだろう。でも、僕らの叙勲は、多くの人を楽しませたことの結果だから、僕たちの方がもらう資格はあると思う」と語っています。そして、ジョンは、4年後、英国のビアフラ内戦への関与、ベトナム戦争での米国支援に抗議して、勲章を返還しています。
ビートルズの叙勲に関しては、保守的な人々からの反対以上に、反体制派の当時の若者ファンからも相当な批判があったはずです。それでも、あえて叙勲を辞退しなかったのは、ジョンが語っているようにビートルズなりの社会へのメッセージだったと思います。
吉田拓郎は「ビートルズが教えてくれた」の中でこう歌っています。
♪ 勲章を与えてくれるなら
  女王陛下からもらってしまおう
  女王陛下はいい女だから
  つきあってみたいと思う
  それも自由だとビートルズは教えてくれた
その当時「本当の自由とは何なのか」ということをビートルズは伝えていたのだと思います。
時代の変わり目には、その時流の霊降者のような人物が時として現れることがあります。時代がその人を生みだし、時代の福音をその人の口を通じて語らせる。坂本龍馬であり、ビートルズであり、スティーブ・ジョブズであり・・・。たかだか20代の若者4人が残した余りにも大きな影響力は、そのように解釈しなければ、説明できないのではないでしょうか。

1 件のコメント:

James さんのコメント...

いつもながらの深い考察、深くうなずかせてもらってます。文章を読んでいたら無性に卓郎の曲をギターで弾き語ってみたくなりました。週末はきっとそうすることでしょう。これからもいろいろとBeatlesにまつわる話を聞かせてください。 ABLHCのメンバーより。