2011年10月13日木曜日

タジキスタン戦余話 - ラフィコフ監督

タジキスタンのラフィコフ監督(写真)は、弱気というか、謙虚というか、試合前から何度も日本の強さを強調し「勉強に来た」と発言していました。「勝負の世界だから勝つのを目指さないチームはいない。ただチャンスは100分の1、200分の1、1,000分の1かもしれない」
そして、0-8という大敗を喫した後の記者会見でも、日本を「ビッグなチーム」と表現し、「ほぼベストメンバーで戦ってくれたことに感謝している。何よりも日本に感心したのは、無駄な動きが一切なかったことだ。最後の3分間も全力で走っていた。これには感銘を受けた」と日本代表の姿勢を絶賛していました。ここまでは、よくあるGood Loserの発言。
その後に、クリーンな戦いぶりについて聞かれ、こう答えています。「ラフプレーには走らない、クリーンなプレーを心がけるというのを選手たちは理解している。私たちは日本の選手を怪我させるために来たわけではない。日本はもっと高い目標を置いているチームなので、こんなところで怪我をさせては申し訳ない」
「日本相手に攻撃の選手を入れるのは無駄」とエースFWを来日メンバーから外し、8点取られてもひたすら守備に徹するというように、ラフィコフ監督の戦術は徹底していました。選手にラフプレーを禁じていたというのも十分ありうることです。だとしたら、これは感謝しなければなりません。タジキスタン戦後半2桁得点を期待するTV実況中継を観ながら、試合が早く終わるのをひたすら祈っていました。小野伸二が相手DFの悪質なファウルで左膝靱帯断裂の重傷を負い、シドニー五輪本戦欠場を余儀なくされたばかりか、その後も慢性的な怪我と痛みに悩まされることになったのは、2000年のアジア予選フィリピン戦11対0の試合でした。
クリーンな守備でどこまで日本に通用するのか試すとともに、改善すべき点を見出していく。シリア失格に伴い、期せずして第三次予選の機会を得たラフィコフ監督の考え抜いた戦い方だったのかもしれません。次のホームでのタジキスタン代表の戦いぶりに期待したいと思います。その為にも、ラフィコフ監督の解任がないことを祈らずにはいられません。

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