2010年9月1日水曜日

アルベルト・ザッケローニ - 10年前のニューウェーブ

日本代表監督が漸く決まりました。お盆前に仕上げるつもりだった夏休みの宿題が、何とか夏休み最終日に間に合ったという感じでしょうか。ザッケローニ(写真)というと、セリアAファンにとっては、カテナチオのイタリアサッカーに3-4-3の攻撃的サッカーを持ち込んで、ACミランを優勝させた監督というのが強烈な印象となっているようです。10年前のACミラン監督当時は、新世代のホープとしてもてはやされましたが、その後のラツィオ、インテル、トリノ、ユベントスの実績は必ずしも華々しいものではありません。また、協会が条件としていた「代表監督や海外での監督経験を有し、異文化や言葉への対応力を有する人物」という点では、セリアA監督の経験のみ、欧州CLでも1次リーグ敗退という実績からすると、必ずしも条件に合致していません。トリノ時代に大黒を指導したということで、日本を理解しているというのもコジツケの感があります。
最終的に絞られた3名の候補者の他の2名というのが、ケイロスとペケルマンというビッグネームであったらしいということを考え合わせると、交渉に難航していた協会が、失業中で売り込んできた「昔の名前」のザッケローニに飛びついたというのが真相かもしれません。単年度契約で毎年見直しというところに、協会としての若干の躊躇が見え隠れします。もっとも、この単年度契約は、欧州のビッグクラブからのオファーの可能性を想定してのザッケローニ側からの要望でもあったようです。ということで、ザッケローニがブラジル大会まで指揮を取るかどうかは不透明。協会としては、今回の経験を糧に今後とも監督候補リストをアップデートし、監督交代の事態に備えておくことが必要となりそうです。
ネガティブな取越し苦労的な話ばかりしてしまいましたが、何と言ってもセリアAのBig3の監督を歴任した実績はあなどれません。時代遅れといわれようが、3バックを駆使する戦術も見ものです。3-4-3の布陣で守備を固めつつ、長友・内田のSBコンビをSHとして高い位置に上げ、守備の負担を軽減しながら、新生ジャパンの両翼にしていくというのは、アリではないかと。とにかく、今のうちは、大いに期待を膨らませましょう。

0 件のコメント: