2010年9月6日月曜日

FIFA 南アW杯 Technical Report

FIFAの南アW杯テクニカルレポートがリリースされました。一部内容については、共同通信社の配信で各紙で紹介されましたが、原本がFIFAのホームページからダウンロード出来ますので、日本に関する部分を中心に拾い読みしてみました。
まず、日本に関する部分。日本の長所を、①優れたライン間の連携、②統制の取れた組織的な守備、③攻守の切替えの速さ、④プレッシャー下での安定したボールキープ力、⑤俊敏性、⑥チーム・スピリット、⑦優れたフリーキッカー、と評価しています。傑出した選手として、松井(優れたドリブラー)、本田(危険なアタッカー)、中澤(空中戦での強さと広い視野)の3名が挙げられています。
日本のフォーメーションは、守備的MFがバックラインの前でプレーする4-3-3と分析し、ボールを失うと、ウイングプレーヤーが守備に戻り、9人での守備ブロックを形成するとしています(1トップ、9バック?!)。また、日本は、ドイツ、スペイン、オランダ、ブラジル、ガーナ、アルゼンチンと並んで、攻守の切替えが早く、正確でタイミングの良いラストパスを通すことのできるカウンター攻撃に秀でたチームとして紹介されています。と、持ち上げている一方、各ゲームの戦評では、決勝トーナメントの日本対パラグアイ戦は、両チームともリスクを取らない試合運びでスコアレスドローは当然の帰結と手厳しく断定しています。
今大会の戦術分析においては、どのチームもコンパクトなディフェンスで、強敵に対してもプレスをかけていたと述べています。しばしば、ボールの後ろに8~9人のディフェンダーが守っているケースがあり、このような守備に対しては、その裏をつくのは極めて困難であるとしています。したがって、ドリブルなどを絡めた両サイドをつく攻めが必要であり、クロスもハイクロスではなく、後方から走り込んでくるプレーヤーへのグラウンダーでのクロスが有効だったとしています。また、前線からの守備も重要であり、これが、素早い攻守の切替えを可能にすると分析しています。
フォーメーションに関しては、4-4-2が主流で、3バックはニュージーランド、アルジェリア、チリの3チームのみとしています。(北朝鮮も3バックだったはず・・・と、レポートの北朝鮮のフォーメーションを確認してみると、何と5バックで、論外扱い?)
今大会のトレンドとして、以下が挙げられていました。①若手の躍進、②ドリブルが出来、1対1に秀でたプレーヤーの重用、③ペナルティエリア付近での慎重な守備(ペナルティエリア付近でファウルを犯さない守備。各チームともFKのスペシャリストを有しており、ファウルはゴールに直結するとして、デンマーク戦での本田と遠藤のFKからの連続得点を例に挙げています)、④前線からのプレス、⑤フレキシブルな守備陣形の変更、⑥前方へのパス(横パスやバックパスを使わず、前方へのフィードが基本)、⑦早い攻守の切替え、⑧ピッチの各所でのユニットの組成、⑨状況に応じての戦術の変更。
トレンドの総括は、日本代表にとっては、直面している課題でもあります。ザッケローニ体制の下、ひとつひとつクリアしていって欲しいものです。さて、明日は、新生ジャパンの第2戦グアテマラ戦です。香川が好調を持続して、乾とのコンビでC大阪のホーム、長居スタジアムに錦を飾ることが出来るか楽しみです。

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