実は、サッカー検定の公式テキストというのがあって、検定問題の多くが、この記載内容から出題されることとなっています。この公式テキストは、坂田久信や牛木素吉郎といったサッカージャーナリストの大御所が編集しただけあって、かなりはっきりとしたサッカー理論を展開しています。ゾーンプレスは、「戦術的にもスタミナ的にも90分間持続するのは困難なため、試合展開や相手との力量差を見極めて、柔軟に使うのが一般的だ」と断定されています。ダイレクトプレーについては、「それ以外の手段でゴールを奪うことが難しい局面で決めてこそ、相手チームに対する大きなアドバンテージになる」とし、「状況に応じて優先すべきプレーの選択肢の1つに過ぎず、かたくなに順守するべき戦術ではない」と喝破されています。
「90分間のゾーンプレスとダイレクトプレーでの突破を戦術の軸におく」という岡田監督の回答は、サッカー検定では誤答となってしまうわけです。以前のブログで、岡田監督のBest4発言は、「Best4を目指す」というよりは、「Best4のチームのサッカーを目指す」ことの宣言であると書きました(シェフパMr. Tは、ベストを尽くしてグループ4位になることと解釈しています)が、岡田ジャパンの目指しているのが未来のサッカーへの挑戦なのか、あるいは、不可能なことへの無謀な挑戦であり、大いなる誤答なのか、もう少し、考えてみたいと思います。