2012年8月2日木曜日

ゴダィヴァ伝説 - コベントリーのブーイング

コベントリーです。ジャガーが本社を構える地方の工業都市。ベルギーの高級チョコレートのゴディバ(英語読みではゴダィヴァ)の名前とシンボルマークの由来となったゴダィヴァ夫人伝説発祥の地です。ゴダィヴァ夫人は11世紀に実在した伯爵夫人です。夫人は重税に苦しむ領民を憐れみ、重税の緩和を領主である夫に嘆願します。夫は、夫人が裸で馬に乗って町の端から端まで練り歩くことを減税の条件とします。領民達は夫人の慈悲に報いる為に、夫人が裸で馬乗りする日には家にこもって戸も窓も締め切り、夫人の裸を見ないように申し合わせます。しかし、仕立て屋のTomだけが禁を破って、夫人の一糸まとわぬ姿を覗き見してしまいます。これが、英語のPeeping Tomの語源となったということです。
ゴダィヴァ夫人の慈悲深さの伝統をひくコベントリー市民達のはずですが、日本対ホンジュラスの一戦については、かなり厳しい反応でした。試合会場は、市街地の北のはずれに位置するリコー・アリーナ。オリンピック期間中は、企業名を冠することが禁じられている為、シティ・オブ・コヴェントリー・スタジアムと呼ばれています。収容人数32,609人。平日夕刻にも拘わらず2万人を超える観客が詰めかけました。共にスペインを破った両チームの対戦。好ゲームを予想して駆けつけた地元サッカーファンの期待は、開始早々打ち砕かれました。互いに中盤でミスを繰り返し、攻め手を欠く退屈な試合展開。20分過ぎには試合に飽きてウェーブが起こる始末。清武・永井が投入され、リズムが一変した後半途中からは、日本のプレーに何度か歓声があがりましたが、終了間際の守備陣でのパス回しよる時間稼ぎには、手厳しいブーイングの嵐。技術の高いプレーへの拍手、審判の判定へのブーイングなど、さすがにサッカーを知っている観客が多くいました。
主力を休ませ、且つ、しっかりと1位通過を果たしてブラジルとの対戦は避けられるなど、関塚監督のゲームプランはぴたりと当りました。残念ながら控え組がフィットしないことが判ったのも怪我の功名。いよいよメダルに向けての今度こそ絶対に負けられない戦いが始まります。次はマンUの本拠地オールドトラフォード。再び関塚ジャパンがきらめきを取り戻し、目の肥えた観客に衝撃を与えてくれるものと信じています。

0 件のコメント: