グループステージから準々決勝エジプト戦までは、日本の飛び道具、永井、齋藤、大津がその威力を如何なく発揮しました。世界を驚愕させたといっていいかもしれません。また、その飛び道具の射手となっていた清武は、英国の目の肥えた観客からも大きな称賛を浴びていました。エジプト戦で永井が負傷したのは、メダルを狙う上で大きな痛手でしたが、むしろ、それ以上に、日本の速攻を封じられたのが、準決勝・3位決定戦の敗因でした。メキシコ・韓国ともに試合巧者。日本の良さを消してきました。世界での経験の差が出ました。終盤は、ゲームの流れを変えられないまま、なす術なく、敗れてしまいました。2試合ともに、流れを引き寄せるべく投入された宇佐美・杉本は、見せ場を作ることも出来ませんでした。世界の壁を実感したのではないでしょうか。特に宇佐美は「ガンバ大阪の最高傑作」と称され、名門バイエルンミュンヘンに入団した逸材ですが、ベンチにも入れず試合から遠ざかっているせいか、試合勘以上に、チームでのコンビネーションを欠いていました。悔しさは判りますが、暗い表情が気になります。女子W杯の時の永里(現姓・大儀見)が重なります。彼には、技術的向上よりも人間的成長が必要ではないでしょうか。
「今、一番何がしたいですか?」五輪から帰国した選手達へのお決まりの質問ですが、多くの選手が「焼肉を食べたい」「お寿司を食べたい」と答える中で、なでしこの岩渕だけが「練習!」と一言。決勝で、GKと1対1になりながら決めきれなかったシュートが余程悔しかったのでしょう。U-23 もベスト4という十分称賛に値する結果ではありますが、選手達には最後の2連敗で世界に撥ね返された悔しさのみが残った五輪だと思います。U-23の選手全員が、岩渕と同じ気持ちを抱いたとしたら、今後の日本サッカーにとって、銅メダル以上に価値ある敗戦になるかもしれません。(写真はグループステージ第3戦ホンジュラス戦)
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