2012年3月3日土曜日

The Monkees - RIP, Davy

ちょっと前のことになりますが、出張先のホテルのTVでCNNを映していたら、The MonkeesのDavy Jones(写真右下)が2月29日フロリダの自宅で心臓発作で亡くなったというニュースが流れてきました。Micky(写真中央上)がスタジオでDavyとの思い出を語っていました。享年66歳。突然の、そして早すぎる死でした。Monkeesは米国版Beatlesを目指して、メンバーを公募して結成されたグループです。1966年に「Last Train To Clarksville(恋の終列車)」でデビューすると同時にTVで「The Monkees Show」が放映され、メディアミックス戦略が功を奏して一躍スターダムにのし上がりました。グループのイメージとメンバーのキャラクターを徹底するなど、米国商業主義がプロデュースした「作られたアイドル・グループ」の傑作でした。TV番組のオープニング曲「モンキーズのテーマ」で「♪僕らは行きたいところに行く やりたいことをやる 休んでいる暇なんてないさ いつも新しいことはあるんだ」と歌っていますが、その歌詞の通り、どこまでものんきで、底抜けに明るく、悩みとは無縁のアイドル・バンドを演じたグループでした。米国では折しもベトナム戦争が泥沼化し、反戦運動が激化していました。ウッドストックで伝説のロック・フェスティバルが開催されたのもこの時期です。ヒッピーに支持されたカウンター・カルチャーが音楽界でも主流になっていく中で、モンキーズはその対極に位置し、あくまで古き良き米国を象徴する存在でした。中学生だった当時、モンキーズに魅了され、「ザ・モンキーズ・ショー」を欠かさず見ていたのは、楽曲の素晴らしさもさることながら、彼らの「作られた生き方」への憧れが大きかったと思います。(カミングアウトすると、当時はビートルズよりもモンキーズが好きでした)
写真は、代表曲「Daydream Believer」(日本では忌野清志郎がカバーし、カップ麺などのCMで流されていた)のレコードジャケットです。このジャケットでもメンバーのキャラクターが一目瞭然で、いかにもモンキーズです。この曲は、「♪6時の目覚ましが鳴らなければいいのに でも鳴ってる そして僕は起きる 楽しい時を過ごしていても それはいつか終わる 夢想家(Daydream Believer)の彼と学園祭の女王(Homecoming Queen)の彼女には それが判っているのかな」と歌っています。この歌詞が暗示していた通り、モンキーズのDaydreamは長くは続きませんでした。68年にはPeter Tark(写真左下)が、69年にはMike Nesmith(写真左から2番目)が脱退し、1970年、結成してから4年でモンキーズは解散しています。ザ・モンキーズ・ショーのエンディング曲は「自由になりたい」だったと思います。「♪自由になりたい 青い鳥のように 青い海の波のように 君の愛が僕を束縛するなら そんなことしないで さよならしよう」Davyがブランコに乗って歌っていたような記憶が。冥福を祈って、合掌。Rest In Peace, Davy.

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