2012年3月15日木曜日

祝! ロンドン五輪出場決定

国立では日の丸の小旗が揺れていました。通常は入場の際に配布される青いボードを掲げて、スタンド全体を青く染めるのですが、今回の日の丸は、代表サポーターが用意し、配布したものでした(ちなみに、最近入場時に配布されるのは代表エンブレムの携帯クリーナー)。ゴール裏サポーター席で一斉に日の丸の小旗がうち振られる光景は、昭和の応援風景を彷彿とさせるものがありました。私がスタジアムでの代表応援デビューしたのは、36年前のことだったと思います。帰省先の富士から日の丸の旗を担いで、東海道線の鈍行で国立に向かいました。前々年に初めてライブ中継されたドイツW杯で聴いたチアホーンに模した自転車のクラクションホーンを片手に。モントリオール五輪予選でした。結果は、韓国に0-2の完敗。五輪への道を絶たれました。
さて、ロンドン五輪アジア予選最終戦。「もっと点が取れた」という不満の声もありましたが、五輪出場権獲得というゴールをしっかりと見据えた安定した戦いぶりだったと思います。前半は無理して最終ラインを押し上げず、ロングフィードを多用したセーフティな試合運び。危ない場面もありましたが、ボール保持率70%が示している様にゲームをしっかりと支配していました。後半の2ゴールは一気にトップギアにシフトしての得点。シュート自体もワールドクラスの素晴らしいものでしたが、じっくりと機をうかがっての計算ずくのゴールというところが評価されるべきでしょう。2点取った後は、
ギアを戻して、安全運転に。シリア戦の敗戦を経て、一回り成長した大人の戦いぶりでした。2000年のシドニー五輪以来、国立で五輪出場権獲得を見届けるのは4回目になりますが、この年代は、予選の戦いを通じて急速に逞しくなります。関塚監督が作り上げたこのチームの最大の強みは、その団結力にあります。個性が強く、個としてチームから浮いてもおかしくないキャラクターの原口や大津もしっかりと包み込むチームとしての包容力が強さの源泉となっています。五輪本戦では、この関塚ファミリーに、これまで召集していない海外組の香川、宇佐美、宮市らをどうフィットさせていくか、あるいは、長友、遠藤、本田らのオーバーエイジ枠を活用するのか、悩ましい問題ではあります。
試合終了間際に、アジア予選前半キャプテンとしてチームを牽引してきた山村をピッチに送り出したのは、関塚監督ならではの配慮でした。そして、試合終了後、権田が照れて逃げ回る山村をつかまえて、その左腕にキャプテンマークを巻くシーンが大型ビジョンに映し出されていました。昭和の学園ドラマのワンシーンのような光景に思わずホロリとしてしまいました。U-20 世界大会への出場を逃した「谷間の世代」ですが、更に強くなって、ロンドンで輝いて欲しい好感のもてるチームです。(写真は、試合前、大旗を振るサポーターをバックスタンドのトラック上に整列させ、代表にエールを送るという初めての試みのシーン)

0 件のコメント: