2011年12月18日日曜日

クラブW杯決勝 - バルサ劇場

至福の時というのは、往々にして速く過ぎ去るように感じるものですが、特に今日はとてつもなく速く感じました。前後半1分ずつというアディショナル・タイムもあまりに短すぎました。まさに冬の一夜の美しすぎる夢。サッカーのゲームとしては一方的過ぎて緊張感に欠けましたが、バルサ劇場は余すところなく堪能することが出来ました。TV観戦とスタジアムでの観戦とでは、それぞれの楽しみ方があります。個々の選手の個人技を見極めようとすれば、TV観戦。スタジアムでの観戦、なかんずく、日産スタジアムでのトラック越しの観戦では、細かいタッチまで追うことは出来ませんし、勿論、スロー再生を見ることは不可能です。一方、たとえ、イニエスタとシャビの判別が難しい距離感の中でも、スタジアム観戦では圧倒的な臨場感を味わうことが出来ます。また、TV観戦では見渡せないオフ・ザ・ボールの動きやピッチ全体のフォーメーションをじっくり楽しめるのがスタジアム観戦です。と思っていましたが、家に戻ってから録画ビデオを再生してみると、バルサに限っては、多少修正せざるをえませんでした。驚くべきことに、かなりの時間、TV画面にバルサの選手が10人収まっているのです。美しい陣形です。斜め30度に綺麗にラインを形成してワンタッチパスを繋ぐ様は、ラグビーのようです。壁パスを多用して切込む様は、まさにバスケットボール。ペナルティエリア内の浮き球のラストパスからのシュートは、ハンドボール。「中央でボールを受けて反転出来ない場合は、パスの出し手に戻して、3m移動してから壁パスをもらい、そのまま30度の角度でサイドに散らせて、スピードアップして縦に10m走って、クロスボールを受ける」このアメフトのようなフォーメーションですが、実は100以上あるバルサのフォーメーションパターンの一つだと言っても、信じて頂けるのではないでしょうか(勿論、想像です)。それほど、何の迷いも淀みもない流れるようなパス回しでした。理想のサッカーがそこに展開されていました。決して、圧倒的な運動量がある訳ではありません。ふらふらと歩いている選手が目立ちます。それでも、的確なポジショニング故にパスが繋がります。そして、ボールを奪われるや、まるで、遊び道具を取り上げられたブルドッグのように猛然と奪い返しに群がり、そのスピードは一変します。ゴール前でも然り。結果として、南米王者相手にボールキープ率70%以上の徹底したゲームコントロール。90分間圧倒され続け、消耗し尽くしたのは、サントスのイレブンだけでなく、6万8千人の観客も同様だったと思います。息も絶え絶えです。ということで、バルサの強さについては、また次回に。この至福の機会を譲って下さったDr.Kに改めて感謝。(写真はシャビの2点目の後喜ぶバルサイレブン)

1 件のコメント:

koba2002 さんのコメント...

さすがにクラブチーム最高峰のゲームでしたね。FIFAやオリンピックなど国別対抗は、根性や運動量が全面に出がちなのでしょうね。「決して運動量が多いわけはない」ゲーム作り!素晴らしい。
ポジショニングと、パターンの多さ、サッカーの見方が違いますね。良かったですね。