2010年3月3日水曜日

バーレーン戦 - デジャヴ

本田のシャドーストライカー起用は、岡田監督の久々の名采配でした。もっとも、海外組を一人でも多く組み入れたいがための苦肉の策だったのかもしれませんが・・・。「戦術は浸透した。これからは、個々の自由な発想を加えて、応用問題の段階にレベルアップする」と言った途端に、組織そのものがうまく機能しなくなり、結局は「個の力」頼みになる。これは、いつか来た道であり、「デジャブ」の感は免れません。
岡田監督が目指しているサッカーは、所詮「見果てぬ夢」なのかもしれません。スペイン代表のサッカーを見過ぎた夢想家岡ちゃんが、痩せ馬サムライブルーに跨って、W杯ベスト4を目指す。日本版ラ・マンチャの男なのでしょうか。
ちょっと自虐的過ぎる表現になってしまいましたが、メキシコ五輪以来の代表サポーターとしては、自虐ついでにサンチョ・パンサになって、岡ちゃんキホーテに付き合ってもいいかなという気になってきました。後半のメンバーのうち、内田・長友・本田・岡崎・森本と、ほぼ半数は、世界に手も足も出なかった北京五輪メンバー。タレント的には小粒といわざるをえません。そして、オシムが残していった「日本らしいサッカー」の暗示。ショートパスを多用したコンパクトなプレッシングサッカーというのは当然の帰結ではあります。ただ、90分間このサッカーを続けることは、スタミナ的に無理ですし、また、コンセプトへの固執が、今年に入ってからの単調な試合運びに繋がっています。バーレーン戦は、決して満足のいくゲームではありませんでしたが、海外組のイマジネーションが、これまで国内組が築き上げてきた基本コンセプトにアクセントを与えるとともに、いいペースチェンジとなっていたように感じました。俊輔のインタビューの言葉が象徴的でした。「本番では、そうそううまく弾は回せませんから」さすがに、よく判ってます。むしろ、ショートパスの交換からのきれいなサッカーでの得点は、世界を相手に期待薄でしょうが、コンパクトなサッカーが目くらましになって、何でもないロングボール1本でゴールを奪ってしまうということも本番では期待できるかもしれません。これからも基本コンセプトを愚直に積み上げつつ、個のアイデアでリズムの変化を作っていく。いつか来た道であろうとも、これしかないのかもしれません。ところで、2点目は、内田のクロス→森本のつぶれ役→本田のゴールでした。北京組に悪口が聞こえたのでしょうか。

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