2009年10月10日土曜日

スコットランド戦 - 黒髪のビリー

日本13vsスコットランド9。フリーキックの数ではありません。両チームの先発メンバーの背番号の平均です。1番から11番まできれいに並べば平均は6になりますから、両チームとも如何に番号の重い選手(=控え選手)が多かったかが判ります。特に日本は完全にサブ組のチーム。2日前に香港戦があったとはいえ、遠来のスコットランドに失礼ではないかと。とはいえ、一方のスコットランドも、W杯出場の夢が断たれ、モチベーションを欠いたチームでした。親善試合とはいえ、かなり疑問の残るマッチメイクといわざるを得ません。
と、硬い話はここまで。日本代表、見るべきところがいくつかありました。まず、前を向く意識。パスを受けてすぐにターンして前を向くシーンが随所に見られました。これまでは、パスを受けたら判を押したように一旦落として(後ろに戻して)自分だけ前を向いて走るプレーが目立ちましたが、ボールを持ってゴールを向くというアグレッシブな姿勢が浸透してきたようです。それから、ワンタッチ、ツータッチのパスが小気味良くつながっていたこと。いいチームに仕上がりつつあります。岡ちゃんの監督としての手腕を素直に見直さなければいけませんかね。
スコットランド代表といえば、ビリー・ブレムナーという70年代前半に活躍したミッドフィルダーが思い出されます。イングランドリーグのリーズでもキャプテンを務めた闘将でした。その燃えるような赤毛から「赤毛のビリー」の愛称で親しまれていました。赤毛にそばかすといういかにも好々爺の風貌でしたが、170cmにも満たない小柄な体格で縦横無尽に走り回り、大柄なプレーヤー達を翻弄する姿に喝采を送ったものでした。当時のキックアンドラッシュ全盛の時代に、いまでいうスルーパスにこだわったプレースタイルも魅力でした。今回のスコットランド代表には残念ながらビリーの魂を継ぐ選手はいませんでしたが、逆に日本代表に黒髪のビリーがいました。石川直宏28歳。谷間の世代と呼ばれたアテネ世代の10番です。オリンピック代表と並行してA代表にも招集された若手注目株でしたが、その後怪我に悩まされ、代表からは遠ざかっていました。今回の招集は、Jリーグでのゴール量産を背景とした堂々の代表復帰です。スピードに乗ってサイドから内側に切れ込むプレー、DFの密集する中をワンツーで抜け出すプレー。好きなタイプのスピードスターです。来年まで怪我をせずに、W杯本大会で是非活躍して欲しい選手です。
こぼれ話2題。ハーフタイムに日本代表サブの選手が何人かピッチ内でウォーミングアップをしていて、ピッチに戻ってきたスコットランドの選手たちとすれ違うシーンがありました。その中の一人が、スコットランドの何人かの選手に呼び止められては、親しげに言葉を交わし、握手をしていました。さすが「世界のNakamura」。ゲームへの出場はありませんでしたが、存在感を十分に発揮していました。試合後インタビュアーデビューの我等が名波浩。初めてにしてもちょっと酷かったですね。スパサカでの小倉のウイットの利いたインタビュアー振りに完敗。ちなみにラジオでは福西が解説をしていました。なかなかのものでした。

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