2013年1月1日火曜日

元旦はここから ‐ 天皇杯決勝

新年明けましておめでとうございます。今年も年始は、ここ、国立競技場からです。凛と澄み渡った冬空に穏やかな陽光が満ち、絶好のサッカー日和です。スタンドを埋める青と黄色のコントラストがやや色褪せた緑のピッチに映えます。柏サポーター席の一角には、約100人の上半身裸サポの肌色エリアが。クラブW杯の昂奮を知ってしまった両チームサポーターにとっては、天皇杯優勝という栄誉に加え、クラブW杯出場の前提条件となるACL出場権がかかっている大事な試合であり、応援は否が応でもヒートアップします。
前半は圧倒的なガンバペース。J2降格したリーグ戦の不振が嘘のように、ワンタッチでの細かいパス回しの連続でゴールに迫ります。しかし、それも柏の先制点が決まる前半35分まで。先制されたとたんに、緊張の糸がチームの絆の糸とともにプツリと切れてしまいました。不振は不信につながります。リーグ戦でのチームに逆戻りしたガンバ。味方からのパスを信じられない選手達の足は止まり、味方の動きを信じられない選手達は一人でつっかけては柏の守備陣にボールをからめとられます。選手交代も、機能していたサイドの倉田と二川を下げるなど、松波采配は意図不明。前半から水野をスパッと替えてチームに喝を入れたメッセージ性の高い選手交代采配のネルシーニョとは好対照でした。後半は、勝ちへの執着を思い出せず、ただ淡々と試合を進めるガンバと、勝ちを意識して早くから守りに入ったレイソルが、きっちり噛み合ってしまった盛上りを欠いた寂しいゲームでした。サッカーの素晴らしさと感動を伝える場が元旦の天皇杯決勝ならば、サッカーの怖さと残酷さをさらけ出すのも天皇杯。ガンバのACLでの劇的な復活の夢はあっけなく潰えてしまいました。最後の夢を砕かれ、負けることが許されないJ2での厳しい戦いのみが残されたガンバの1年が幕を開けます。様々な意味で厳しい現実に向き合わなければならない今年の日本に相応しい幕明けだったのかもしれません。

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