2009年9月18日金曜日

Saudade - 切ない想い

このブログに時々素敵なコメントを寄せてくれるYakoさんのサンバのライブに行ってきました。サンバといえば、リオのカーニバルかエスパルスのチャント(応援歌)ぐらいしか浮かんでこなかったのですが、初めて生で聞いたサンバの調べは、ずいぶん趣きが違いました。4分の2拍子のリズムのブラジル音楽はすべてサンバであり、アフリカ人移民のもの悲しい叙情的な音楽がそもそものルーツだったようです。というと、ボサノヴァを思い浮かべますが、Yakoさんによると、前掛りのノリの音楽がサンバ、ノリが後ろに残るのがボサノヴァだということです。(何となく判ったような・・・)
Yakoさんは当日は熱があり、体調が不十分で、不本意なステージということでしたが、ちょっとかすれ気味な歌声は、それはそれで哀愁があり、胸に迫るものがありました。
サンバの重要な要素に「Saudade(サウダージ)」という言葉があります。歌詞にもよく出てきました。「情」とか「心」とか「想い」とかを表す言葉です。郷愁とか懐かしさとか哀愁という意味でも用いられるそうです。想いを搾り出すように歌い上げるのが、サンバの真髄なのかもしれません。
Yakoさんとは20数年ぶりの再会でした。お互い「変わってないネ」と言い合いながら、それぞれ「色々あったんだから・・・」とつぶやく20年間の人生の重み。Yakoさんの歌を聴いていると、20年前の日々を思い出して懐かしさにひたりながらも、もうあの頃には帰れないという切ない想いがこみ上げてきました。これがSaudadeなんでしょうね。リオの眩い陽射しと、白い砂浜に映えるどこまでも黒い影。コルドーバの丘をわたる風。サンバのリズム。そして、マラカナン・スタジアムの大歓声。
5年後のW杯はブラジル。行かなくちゃという想いが募りました。その前に、スタジアムにエスパルスのサンバのチャントを聴きにいきましょうか。(写真はリオ・デ・ジャネイロ)

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