2009年9月19日土曜日

20th Century Boy - T.Rexの想い出

シルバーウイーク初日、20世紀少年を観てきました。アニメの映画化というのには抵抗がありましたが、何よりも時代設定がシンクロしており、同時代のパラレルワールド感覚にハマってしまい、結局、3作とも観てしまいました。
映画の中で「ともだち」が「20世紀少年は、僕なんだよ」とつぶやくシーンがあります。そして、主題歌の「20th Century Boy」が劇中で重要な伏線となります。映画の中でケンヂがこの曲に出会うのは中学3年生。給食の時間に放送室をジャックして、このハードロックをガンガンに流したものの、何の反響も無く、屋上で寝転んで、「ロック流しても何も変わらねぇ」とふてくされます。僕がこの曲を知ったのは高校2年の時でしたから、ケンヂとはほぼ同世代だといえます。この曲は、当時グラムロックの旗手と言われたグループ、T.Rexの代表作です。他にMetal Guruが有名です。
実は、高校時代に、憧れていた女の子がいました。彼女は、同じ高校の1年上の学年の色のスリッパを履いた大人っぽい、それでいて危うげな少女の面影を残した不思議な女の子でした。ある日、学年共通で使っていた物理教室での授業中に、机に鉛筆書きされた詩の落書きを見つけました。T.Rexのヴォーカリスト、マーク・ボランへの憧れをつづった詩でした。署名は「ミッシェル」とありました。僕は「チャーリー・ブラウン」の名前で甘ったるい詩を書き込みました。こうして、物理教室の机の青灰色をしたメラニン化粧板を介して詩の交換が始まりました。そのミッシェルが、憧れていた女の子で、彼女が同学年だと判ったのは、彼女が忘れていった物理の教科書(!!)を届けた時でした。その後、何も起こらないまま、3年への進級とともに物理の授業は終わりました。僕の心には、物理への苦手意識とマーク・ボランへの甘酸っぱい嫉妬だけが残りました。という訳で、T.Rexは嫌いでした。ずっと・・・。でも、20th Century Boy、久々に聴きましたが、いい曲ですね。
人生の一こま一こまは、ヘンゼルとグレーテルのパンくずのように、ほとんどが鳥についばまれてしまっていますが、時々、道の片隅にしっかりと残っていて、闇の中の白い石のように輝いているものです。

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