2013年3月25日月曜日

No Ajax No Life

世界各国のプロサッカーリーグは、2強か3強の名門チームが常に優勝争いを繰り広げ、その他のチームが優勝することは滅多に無いというのが常態化しています。毎年優勝チームが変わる群雄割拠状態のJリーグの様な例は極めて珍しいようです。オランダのエールディビジもアヤックス、フェーエノールト(かつて小野伸二が在籍)、PSV(かつて朴智星が在籍)が3強を形成し、その中でもアムステルダムを本拠地とするアヤックスは、圧倒的な人気を博しています。アヤックスは欧州チャンピオンズリーグを4度制し、世界クラブチャンピオンにも輝いた強豪クラブですが、日本でマスコミに取り上げられることは滅多にありません。最近では、「東日本大震災直後にアヤックスが清水エスパルスをオランダに招待して慈善試合を行い、その収益金が義援金として寄付された」というニュースが報道されたくらいでしょうか。
日本とは全くというほど接点のないアヤックスですが、ヨハン・クライフが育ったクラブとして私にとっては特別な意味合いを有するクラブです。ヨハン・クライフは、1974年のドイツW杯で、「トータル・フットボール」という当時としては画期的な流動的ポジショニングのサッカーを展開し、優勝した西ドイツを凌ぐ衝撃を残したオランダ代表チームの象徴的なプレイヤーでした。当時のアヤックスにおいても、欧州CL3連覇の偉業を達成し、当時の背番号14はアヤックスの永久欠番となっています。
帰国便までの数時間、躊躇なく、空港から数10分の距離にあるアヤックスの本拠地アムステルダムアリーナに向かい、スタジアムツアーに参加してきました。約1時間のツアーガイド、ヤンは根っからのアヤックスファン。アヤックスにつき、熱く語ります。スタジアム自体は、収容人数5万3千人とビッグクラブとしては決して大きくない規模ですが、整備の行き届いたピッチといい、18分で開閉する屋根といい、クッションの効いたシートといい、全てに素晴らしいスタジアムでした。信じられないほどの急こう配の観客席は、最後列でも臨場感があり、また、ロイヤルボックスの豪華さは、これが欧州サッカーの楽しみ方かと納得させられました。いつもはツアーのクライマックスとなるはずの更衣室は、当日ツアー直前にファン・ペルシー(!)他のオランダ代表が練習の為に使用していた為、見学不可となってしまいました。「ファン・ペルシーはまだいるのか」「スナイデルは来たのか」としつこく食い下がるサウジアラビアからのツアー客に、スタジアムガイドのヤンは、苛つきながら、こう吐き捨てました。「オランダ代表の試合は嫌いだ。明日は女子供がいっぱいここにやって来て、アヤックスのライバルチームの選手を応援するんだ。判るかい。このアヤックスの本拠地で・・・・。耐えられないよ。」これが、欧州クラブサッカーサポーターの心意気です。

0 件のコメント: