2013年3月18日月曜日

Destiny - フランクフルト空港での遭遇

理由(わけ)あってオランダに来ています。多少気の重い仕事です。ということで、オランダに向かう飛行機の中では、映画を楽しむことなく、英文資料を読むという羽目になってしまいました。乗継ぎのフランクフルト空港で、寝ぼけ眼(まなこ)で入国審査に並んでいると、隣の列に大きなマスクをつけた日本人男性がいました。顔半分がマスクで隠れていましたが、ちょっと薄茶色の瞳にはどこか見覚えが。まさかと思いつつ列を移って、マスクの男性に「失礼ですが、名波さんですか?」やや間があって、観念したように「はい、そうです。」そこで、「フランスW杯からのファンです。クロアチア戦に応援に行きました。もちろん、引退試合にも行きました。」と、畳み掛けて退路を防ぐことに成功。「今回はブンデスリーガ観戦ですか?」「いや、ミラノの長友に会いに」「怪我は大丈夫なんですかね?」「大丈夫みたいですよ」と、前振りが終わって、これからという時に、入国審査の係員が「Next!(っぽいドイツ語)」取り敢えず、名波さんを先に通して、入国審査が終わるのももどかしく、後を追って、何とかツーショットの写真を撮って頂くことができました。
ところが、モニターに写真を映し出してみると、名波の爽やかで精悍な顔の隣に、如何にも徹夜明けといった感じの、眼鏡がずり落ちて、怪しい笑顔のオジさんが・・・。憧れのレフティーに会えて、言葉を交わすことが出来ただけでも良しとしなければいけないのですが、折角ツーショットを撮らせてもらったのに、誰にも見せられないような写真とは、あまりに無念です。
松任谷由実の曲に「Destiny」という名曲があります。荒井由美ファンとしてはアルバム「14番目の月」までの感性あふれる曲に圧倒的に共感し、松任谷由実の曲には何か作られた人工的なものを感じてしまい、どうしても感情移入しにくいところがあります。しかし、この「Destiny」と「潮風にちぎれて」だけは、荒井由美本来の私小説的な香りを感じ、とても好きな曲です。2つとも失恋の曲で、歌詞に「サンダル」が出てくるのは、偶然の一致でしょうか。
ともあれ、乗継ぎまでの3時間、フランクフルト空港のコーヒーショップで、何度も写真を見直しながら、知らず知らずのうちに口ずさんでいました。「♪どうしてなの 今日に限って 安いサンダルをはいてた (今日わかった) むなしいこと 結ばれぬ 悲しいDestiny」

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