2012年9月13日木曜日

ゴールはどこ? ‐ イラク戦

イラク監督、ジーコ。元日本代表監督。本名アルトゥール・アントゥネス・コインブラ。「ジーコ」は「やせっぽっち」の意味で子供の頃のあだ名。現役時代は「白いペレ」と称された中盤の名手。ちなみに、ペレの本名は、エドソン・アランテス・ド・ナシメント。以上は、9月9日に行われたサッカー検定の為の詰め込み勉強の成果です。9月11日ブラジルW杯アジア最終予選イラク戦。埼玉スタジアム2002は6万人を超える観客で埋まりました。試合前の両チーム選手紹介アナウンスでジーコ監督への歓声・拍手が最も多かったのは印象的でした。ジーコの采配は、的確でした。ザック・ジャパンのペースメーカーであり、パスの経由点である遠藤と本田にマンマークをつけ、両選手へのパスコースを遮断。日本代表のパスサッカーの分断を図ります。一方で、ボールを奪うや、ダイレクトプレーで日本ゴールを脅かします。格上のチームに対するアウェーの戦い方に徹していました。選手起用も、「レギュラー陣と控えを総取替えしたジーコの奇襲」とマスコミでは紹介されていますが、システムに選手を合わせた結果、そして、日本のスピードに対応出来る選手をピックアップした結果の選手起用だったのでしょう。選手にシステムを合わせた日本代表監督時代とは様変わりでした。そんな練りに練った作戦も実らず、スローインからの一瞬の隙をつかれて失点。日本戦での勝ち点奪取はなりませんでした。ジーコが、試合後「今の日本は強豪と言ってもいいぐらい成長している。W杯で上位に進出する可能性は十分にある」と語っています。一方、左サイドで躍動し、存在感を十分みせつけた長友は「チームとしての成長は感じるが、まだまだ成長度合いが遅すぎる。このままでは、W杯での優勝は目指せない」と語り、ジーコの「上位」どころか「優勝」をハッキリと口にしています。ビッグマウス本田も常々「W杯優勝」を唱えていますが、夢を確実に現実に変えてきた長友の言葉には重みがあります。
イラク戦を終えて、2つの意味で「ゴールはどこ?」の疑問が湧いてきました。一つは文字通り決定力不足の解消策。ザックに「決めろ」と喝を入れられた本田が、日本代表全シュート数13本の3分の1以上にあたる5本のシュートを放つもゴールに繋がらず、本人も「決定力を上げないと世界の強豪には勝てない」と語っています。「ゴールはどこ?」ゴールの穴を瞬時に察知する能力を研ぎ澄ますことが日本代表の課題です。後は、ジーコが言っていたようにその穴にパスをすればいいのです。もう一つの疑問は、サポーターとしてのゴールをどこに定めるべきなのかという点です。ドーハの悲劇、ジョホールバルの歓喜を同時代性をもって知っている世代にとって、未だ「W杯は出て当り前」の感覚がしっくりきませんし、W杯本戦での目標は、やはり、グループステージ突破なのです。選手の口にするゴールとのギャップを感じつつ、選手に追いつかれ、逆に置き去りにされた喪失感を味わっています。「サポーターのゴールはどこ?」(写真は、いつもの青みがかったシャツ姿で選手に指示を与えるジーコ監督。甲高い声が聞こえてきそうです。)

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