2012年1月11日水曜日

勝つサッカー - 高校サッカー決勝戦

高校サッカー決勝戦。年一回、国立競技場ロイヤルボックス横の特等席でサッカー観戦が出来る機会でもあります。このところ、決勝初進出のチームが続いておりましたが、今年は市船vs四中工という伝統校同士の対決。久々に無欲の勝利ではなく、優勝を狙って勝ち進んだチームが決勝の舞台に残りました。しかし、勝つサッカーに一日の長を有していたのは、市船(写真)でした。市船の先発はDF登録プレーヤーが11人中6人。登録のみで布陣をみると6-1-3の布陣となります。四中工も高い位置からの守備を徹底し、お互いに中盤でボールを奪っては奪い返されるという展開が続き、シュートまで持ち込めません。実際、前半のシュート数は市船の3本に対し、四中工はわずかに2本。しかし、そのうちの1本が開始1分のゴールであり、四中工はこの先制を守り切って、前半を折り返します。ハーフタイムの四中工監督の指示は「次の1点が勝敗を決める。2点目を取りにいけ」前半半ば過ぎから押され気味の展開であり、監督としては、もっと攻撃的にいけというつもりだったのでしょうが、選手達には市船に次の1点を取られてしまっては危ないという意識のみが残ってしまったようです。後半の四中工は更に慎重になり、中央を固め、大きなクリアを優先した為、そのボールを繋がれ、サイドを切り裂かれてピンチを招く結果となりました。ただ、この守備的戦法は功を奏し、残るはロスタイム2分。この2分間を四中工が守り切っていれば、開始1分で勝負が決まった決勝戦として記録に残るゲームとなっていたと思います。この試合を記憶に残るゲームにしたのは、市船の勝利への執念でした。残り1分での右サイドからのCK。市船は、GKを長身の選手で囲み、GKを無力化し、こぼれ球を押し込もうという清商戦で先制点を奪ったのと同じフォーメーションを取りました。このプレーでボールがエース和泉の前にころがってくるのが市船の強さ。最後も延長後半和泉がゴールを決め、市船が開始直後1分のドラマを終了直前1分のドラマに塗り替えました。市船のサッカーは、決して魅力的なものではありませんでしたが、市船の伝統を守る為に泥臭くとも勝つサッカーに徹するというのが就任初年度の朝岡監督の信念でした。その狙い通り優勝を勝ち取った朝岡監督が、来年どのようなサッカーを展開するのかのか、楽しみでもあります。

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