2012年4月16日月曜日

Project Whisky 2012

4月14日、韮崎は雨でした。2010年の雪の置賜(おきたま)桜街道をはじめ、ここ数年秘湯の会のお花見プロジェクトは天気に祟られます。今回のプロジェクト名Whiskyは「W(わにづか:王仁塚)の桜を愛で、H(ほうとう)を食しに、I(いろどりパノラマ号:お花見列車)で行く旅。併せて、S(しんでん:神田の大糸桜か、さねはら:眞原桜並木)からK(甲斐駒ケ岳)とY(八ヶ岳)を望む」という趣旨から命名しました。「熟成」した大人の旅を楽しむという想いもこめられています。「熟成」がキーワードです。還暦を越えたM会長を筆頭にN隊長、シェフパTも共に「知命」の年代に入り、文字通り、熟成の季節(とき)を過ごすメンバーです。
雨にも負けず、風にも負けないのが、大人の旅の基本。電車の窓を打つ雨をものともせず、朝からチーズ鱈をツマミにシーバースの水割りで、熟成の階段を登ります。ほろ酔い気分で雨傘越しに見上げる王仁塚の一本桜は、まだ八分咲き。小振りながらも濃いピンク色の花をぎっしりとつけていました。先週の春の嵐にも耐え、花散らしの雨にも負けず、濡れそぼりながらも、凛とそびえておりました(写真左下)。それにひきかえ軟弱な我々は、雨宿り先の神社の軒先で花見の宴を兼ねて昼食を取った後、花冷えを避けて早々に近くの白山温泉に退散。
弱アルカリ性美人の湯に身を浸し、体の隅々まで弛緩させ、まどろみながら、ふやけた脳で考えました。熟成は、自然の摂理に抗(あらが)い、耐えるところから始まります。この抗いがなければ、ただ朽ち果て、腐敗していくのみです。ただ、ある時から、それは、自然に身を任せ、一体化していくことで、熟成が進んでいくのではないかと。樹齢300年のエドヒガン桜が教えてくれます。辺り一面野原の中にこんもりと土盛りされた古代の墓標である王仁塚に、しっかりと根を張り、枝を広げた一本桜にとって、風雪は殊の外厳しいものです。しかし、その厳しさに耐えつつも、時には伸びすぎた枝を折り、早々と花を散らすことにより、年輪を重ねてきたのです。開花が多少遅れようが、花の色が多少褪せていようが、毎年、花をつけ、そして、散らしていく綿々とした営みが大事なのであり、風雪に抗い続けるのではなく、時にはそれを受入れ、それと一体化していくことが、熟成なのかなと・・・。我々、秘湯の会の面々は、今、「熟成」のどの辺りにいるのでしょうか。プロジェクト名後半のSKYは文字通り雨天の為、果たせなかったものの、それはそれ。「熟成」を考えさせられたことで、Mission Accomplished!!

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