スタンドを吹き抜ける湿っぽい風に乗って、FIFAのアンセムと山本浩アナの名調子が蘇ってきました。「スコールに洗われたジョホールバルのピッチの上に、フランスへの扉を開ける一本の鍵が隠されています。ラルキンスタジアムのこの芝の上で、日本代表はその鍵を、必ず見つけてくれるはずです。」(出張先で立ち寄ったスタジアム。外から写真を撮っていると、関係者らしき方が中に招き入れてくれました。「日本人にとってはW杯出場を決めたHistorical Placeだ」と説明しても、それがどうしたという感じでした。)
2012年4月21日土曜日
Johor Bahruにて - 15年の重み
スタンドを吹き抜ける湿っぽい風に乗って、FIFAのアンセムと山本浩アナの名調子が蘇ってきました。「スコールに洗われたジョホールバルのピッチの上に、フランスへの扉を開ける一本の鍵が隠されています。ラルキンスタジアムのこの芝の上で、日本代表はその鍵を、必ず見つけてくれるはずです。」(出張先で立ち寄ったスタジアム。外から写真を撮っていると、関係者らしき方が中に招き入れてくれました。「日本人にとってはW杯出場を決めたHistorical Placeだ」と説明しても、それがどうしたという感じでした。)
2012年4月16日月曜日
Project Whisky 2012
雨にも負けず、風にも負けないのが、大人の旅の基本。電車の窓を打つ雨をものともせず、朝からチーズ鱈をツマミにシーバースの水割りで、熟成の階段を登ります。ほろ酔い気分で雨傘越しに見上げる王仁塚の一本桜は、まだ八分咲き。小振りながらも濃いピンク色の花をぎっしりとつけていました。先週の春の嵐にも耐え、花散らしの雨にも負けず、濡れそぼりながらも、凛とそびえておりました(写真左下)。それにひきかえ軟弱な我々は、雨宿り先の神社の軒先で花見の宴を兼ねて昼食を取った後、花冷えを避けて早々に近くの白山温泉に退散。
弱アルカリ性美人の湯に身を浸し、体の隅々まで弛緩させ、まどろみながら、ふやけた脳で考えました。熟成は、自然の摂理に抗(あらが)い、耐えるところから始まります。この抗いがなければ、ただ朽ち果て、腐敗していくのみです。ただ、ある時から、それは、自然に身を任せ、一体化していくことで、熟成が進んでいくのではないかと。樹齢300年のエドヒガン桜が教えてくれます。辺り一面野原の中にこんもりと土盛りされた古代の墓標である王仁塚に、しっかりと根を張り、枝を広げた一本桜にとって、風雪は殊の外厳しいものです。しかし、その厳しさに耐えつつも、時には伸びすぎた枝を折り、早々と花を散らすことにより、年輪を重ねてきたのです。開花が多少遅れようが、花の色が多少褪せていようが、毎年、花をつけ、そして、散らしていく綿々とした営みが大事なのであり、風雪に抗い続けるのではなく、時にはそれを受入れ、それと一体化していくことが、熟成なのかなと・・・。我々、秘湯の会の面々は、今、「熟成」のどの辺りにいるのでしょうか。プロジェクト名後半のSKYは文字通り雨天の為、果たせなかったものの、それはそれ。「熟成」を考えさせられたことで、Mission Accomplished!!
2012年4月4日水曜日
セルジオ越後の辛口比較文化論
といった具合に、面白いサッカー分析が聞けたのですが、それ以上に興味深かったのが、彼が語る日本社会批判。彼の批判の中心は日本の学歴重視社会とアマチュアリズム。「尾崎が三菱重工を辞めてドイツに渡ったのは、三菱重工サッカー部にいる限り、給料は大卒の補欠選手の方が上だったから。」「カズがブラジルで成功したのは、日本に帰っても高校中退では就職先がないので、必死だったから。」「日本人のアスリートには自営業の子供が多い。将来の職場が確保されている子供しか安心してスポーツに打ち込めない。」「関塚監督は何のノルマも課せられていない期間契約。報酬も安い代わりに責任もない。そもそも雇い主の日本サッカー協会がプロ意識に欠け、甘過ぎる。」等々。彼自身東京五輪のブラジル代表候補に選出されながら、五輪出場の栄誉を捨てて、プロ契約を締結。しかし、プロ選手でも金を稼げるのはごく一握りで、引退後の生活の保障がないことを知り、23歳で引退。藤和不動産のオファーを受けたのも、仕事を覚えながらサッカーが出来ると考えたからです。プロの厳しさを知っており、自らプロとアマチュアの間を行き来した経験から、日本の現在のプロ意識の低さ、甘さがもどかしく、我慢ならないのでしょう。そんな背景を念頭に置いて、彼の辛口解説を聞いてみると、また、味わいが変ってくるのではないでしょうか。
2012年4月2日月曜日
なでしこ桜五分咲き
写真は再来週お花見に行く予定の韮崎・王仁塚の一本桜です。毎日の開花状況を伝えるサイトから転用させて頂きました。まだ、固い蕾の状況ですが、ここ1週間で開花し、再来週はもう葉桜になっているのではないかと心配です。一方で、仙台で咲き誇ったなでしこ桜。またもや、米国と名勝負を繰り広げてくれました。この両チームの戦いは、本当に噛み合って、サッカーを堪能させてくれます。川澄ちゃんのあの浮き球のアシスト、メッシが入っていました。いくつかあったチャンスの一つを決めていたら、文句なしのヒロインだったんですが、まだまだ本調子ではないということでしょう。米国は、パスサッカーを意識していました。パス回しにぎこちなさはありましたが、なでしこのお家芸だったトラップしたボールを相手の反対側に置く技術を身につけつつあります。各国がW杯で世界に衝撃を与えたなでしこのパスサッカーを模して、サッカースタイルを変えてくれれば、本家なでしこの五輪での優勝確率はむしろ高まると考えていましたが、米国の進化のスピードは予想以上でした。中盤のパス交換でなでしこを引きつけておいて縦のロングフィードを通すような戦い方をされるとやっかいです。しかし、なでしこはそれ以上に進化していました。前への意識がチームに浸透し、美しさに危険な香りが加わって、本当にセクシーなチームになってきました。それでいて、まだまだ伸び代を感じさせ、五分咲きといったところでしょうか。仙台のサポーターに白星はプレゼント出来ませんでしたが、被災地に大きな勇気を与える堂々たる戦いぶりでした。そして、何よりもナイスゲームでした。
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