ところが、帰国して早速録画を見てみると、違った風景が見えて来ました。確かにゲームを通して押し込まれる展開には変わりがないのですが、TV画面での選手の身振りや表情には、スタンドで感じていたほどのバタバタ感がないのです。スタンドからの観戦はピッチ全体が見渡せて、フォーメーションや選手個々のポジショニングが分かる醍醐味がありますが、高低・遠近がアバウトだったり、選手の表情が読み取れないのが難点です。時としてスタンドから見るととんでもないミスパスが、TVで見ると実は気持ちを込めた絶妙なスルーパスを狙ったものだったりします。この試合もスタンドからだと、日本代表が苦し紛れに蹴り返すだけの極めて情けない展開に見えましたが、TV画面での選手の姿にはむしろ余裕すら伺え、戦略的にリスクを抑え、あえて堅守速攻に徹して勝負に拘る姿勢が読み取れました。代表へのアピールを図りたいというのが選手達の本音だったと思いますが、はやる気持ちを抑えてチーム戦術に徹していました。コンフェデ杯とは選手が一変していますが、チームとしてコンフェデ杯惨敗の教訓を踏まえ、成長した姿を見せてくれたと勝手に解釈しています。監督解任の声もあがり、優勝が絶対条件の中、ザッケローニは大胆なターンオーバー制を取り、全選手に出場機会を与えるとともに、主力メンバーに最終戦前に休養を与えることにも成功しました。結果的にこの作戦が当たり、また、韓国戦3人目に投入した豊田が守備で貢献するなど、ザックも本田同様「持っている男」なんでしょう。
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