U-23日本代表がスペインを破った翌日、マスコミ各紙には、「グラスゴーの奇跡」との活字が躍っていました。1936年ベルリン五輪で優勝候補スウェーデンを破った「ベルリンの奇跡」、1968年メキシコ五輪で地元メキシコを破り、銅メダルに輝いた「アステカの奇跡」、1996年アトランタ五輪でブラジルを破った「マイアミの奇跡」、再びという訳です。今回の勝利は、ブラジルの猛攻に耐えに耐え、相手の連係ミスによるワンチャンスでの得点で勝利したマイアミと異なり、落ち着いた試合運びでゲームを支配しており(ボールは支配されましたが)、アステカでの勝利に近いものでした。むしろ、勝つべくして勝った感が強く、「グラスゴーの奇跡」と呼ぶのは、関塚ジャパンのメンバーには失礼だと思います。彼等は、人が本当によく動くいいサッカーをしていました。勝利の最大の要因は、とにかく運動量で勝ったこと。本来は、退場で1人を欠いたスペインが運動量で上回って、数的不利をカバーしなければならないところ、日本はそれを更に上回る運動量で対抗しました。永井や清武が最後まで裏への飛出しを執拗に繰返し、前線でのチェーシングを続けたことにより、スペインは、中盤・DFのラインの押上げに迫力を欠き、FWとの間が間延びし、得意のコンパクトな陣形からのコレクティブな攻めが出来ませんでした。もちろん、2人が決定機をはずしまくっていなければ、大勝もありえたのですが、あれだけ走り回っていては、ゴール前での精度を欠いてしまったのも已むをえないと思います。
この勝利で、スペインと同じレベルになったと喜ぶのは早計でしょう。スペインは、決勝までの6試合を見据えた上で、この試合はあくまで6分の1の位置づけ。かたや日本は決勝トーナメント進出の鍵を握る正に「この一戦」との位置づけ。必死さが違います。運動量に違いが出てきて当然でしょう。
かつて、アルマダの戦いでスペイン無敵艦隊を撃破した英国がその後スペインに代わって海洋覇権国家となりました。このグラスゴーの勝利が、日本サッカーの歴史的分水嶺となり、男子サッカーの世界での躍進のスタート地点になってくれればと思います。その時、「グラスゴーの奇跡」は「グラスゴーからの軌跡」となる訳です。
2012年7月30日月曜日
2012年7月15日日曜日
いよいよ五輪 ‐ 不揃いの日の丸
さて、7月11日の壮行試合。スタンドには、日の丸の人文字が。これがいまひとつ呼吸が合わず、写真のようにちょっと不揃いに。壮行試合の内容も、同じように不揃いの結果に終わってしまいました。
なでしこは、ほとんどU-20の豪州代表相手に、結果だけみると3‐0の快勝。しかし、1年前、世界を驚かせたあのW杯でのパスサッカーからすると、8割以下の出来でした。男子との練習試合を多く組んで、ダイレクトパスの精度を高め、パススピードを上げようとしている途上なのでしょう。パスミスが多く、コンビネーションにも難がありました。それでも、しっかりと圧勝してしまうのが、世界チャンピオンなでしこの強さなのでしょう。なでしこは、今、更なる高みを目指し、産みの苦しみの真っ只中にいます。なでしこのレベルアップへの挑戦がグループリーグでの戦いを通じて実を結んでいくのか、大きな見所です。澤が復活のゴールを決めたのは、吉兆です。澤を支えるボランチ阪口、そして、シンデレラガールの川澄は絶好調です。GK福元も安定感抜群。この4つの穂(穂希、夢穂、奈穂美、美穂)がなでしこに黄金の実りをもたらしてくれることを祈りたいと思います。
一方、U-23日本代表。ニュージーランド五輪代表に対して、恐らくこれまでで最高の出来のパフォーマンスを繰り広げてくれました。しかし、結果は1‐1の引分け。これがこのチームの現在の限界でもあります。香川か本田がいれば、決定力はかなり改善出来たことでしょう。遠藤か中村憲剛がいれば、一本調子に攻め急ぐ欠点もなくなっていたことでしょう。しかし、既にオーバーエイジも含めて選手選考が終了してしまった今や、詮無い話です。もはやこのメンバーで戦うしかありません。五輪での戦いは極めて厳しいものになるでしょうが、日本らしいサッカーを展開し、あわよくば、サプライズを起こしてもらいたいと願っています。不揃いの日の丸達に悔いなき戦いを。
2012年7月8日日曜日
Project千中(田酒)八策その2 ‐ 棟方志功の世界
棟方志功記念館では、広重の東海道五十三次に着想を得た東海道各地の板画の連作を見ることができました。故郷の富士(吉原宿)の板画の構図は、富士山を背景に五月晴れにたなびくコイノボリ。富士山には、月見草以上にコイノボリがよく似合います。
志功の絵の原点は、少年の頃の凧の絵付けにあります。原色のまま二度筆を使わずに描きます。油絵から版画に向かったのは、必然だったのかもしれません。そして、ねぶたも彼の作品の重要な要素となっています。彼自身「ねぶたの色こそ絶対まじりけのないわたくしの色彩であります」と言っています。
祭りのある町は、独特な彩りを湛えています。青森市もいい色をしています。吉田拓郎は、鹿児島生まれ・広島育ちで、青森には縁がありませんが、「旅の宿」のモデルが青森の蔦温泉(※)のせいもあり、「祭りのあと」の祭りも「ねぶた祭り」ではないかと言われています。いつかは、ねぶた祭りを観て、「祭りのあと」をくちずさんでみたいと思っております。(※「旅の宿」は作詞者の岡本おさみが新婚旅行に行った蔦温泉で曲想を得たとされています。)
2012年6月24日日曜日
Project千中(田酒)八策 その1
生憎の雨の為、八甲田山登頂は果たせませんでしたが、その分、温泉には湯当たりする程浸かることが出来、わずjかな時間でしたが、青森市内観光をすることも出来ました。最後、帰りの汽車を待つ間に訪れた「青い海公園」。京都から来たという初老のご夫婦が、アンプ付きのギターを掻き鳴らし、いわゆる路上ライブを行っていました。奥様が青森出身の方で、津軽海峡に向かって拓郎を歌ってみたかったとのことでした。「流星」をリクエストさせて頂き、暫し拓郎談議の後「イメージの詩」のフルコーラスを聴き終えてから、駅へと急ぎました。背中から僕らを送る様に「落陽」の演奏が。振り返る度に、大きく手を振ってくれて、その都度、音楽が途切れます。人生のディテールには、それ程多くは無いけれども、とてもおシャレで美しい一コマが用意されていたりします。
2012年6月13日水曜日
豪州戦 - 大荒れの因縁の対決?
両チーム合わせて7枚のイエローカード、2名の退場者。データだけみると殺伐とした「大荒れの因縁の対決」が想像されますが、汚いファウルはなく、極めてクリーンなゲームでした。この好ゲームに水を差したのが、サウジアラビアのカリル・アルガムディ主審(写真)。厳しくファウルを取ることで有名なレフェリーで、南アフリカW杯のチリ対スイス戦では、9枚のイエローカードを出し、1人の一発レッド退場者を出しています。また、今年3月23日に等々力で行われた川崎F対メルボルンのAFCチャンピオンズリーグでも、同様にイエローカード9枚、レッドカード2枚という大荒れのゲームを作り出しています。カードが続くと、どうしても「お返し」のカードを出しがちであり(内田のPKファウル)、選手も観客も過剰にカードを要求しがちになります(栗原退場のファウル)。レフェリーが大荒れの試合を自己演出してしまう結果となってしまう訳です。
そもそも、サッカーの競技規則はわずか17条。200近い項目が規定されている野球に比べ、いかにも大雑把です。ルールは選手のフェアプレー精神とレフェリーの主観に大きく委ねられています。だからこそ、毎試合黄色のフェアプレーフラッグを掲げ、試合前には選手達がフラッグにサインしてフェアプレーを誓約するわけです。問題は、レフェリーの主観部分。往々にして厳格すぎるレフェリーはゲームを壊しがちです。アルガムディ主審はその典型例で、ロスタイムに本田にFKを蹴らせなかったのは、本人にすれば、時計通り笛を吹いた勇気あるジャッジだったのでしょうが、ゲームのクライマックスに幕を引いてしまい、ドラマチックなゲームを台無しにしてしまったのは明らかです。W杯で笛を吹いた位ですから、一流審判であることは間違いないのでしょうが、今後の再犯(?)防止の為にも、日本サッカー協会としては、今回のジャッジ(特に内田のファウル)への異議をFIFAに提訴すべきだと思います。(オジェック豪州代表監督も「内田のプレーはファウルには見えなかった」と試合後のインタビューで語っています。)
主審の問題はさておき、序盤押されっ放しだった流れを引き戻して、最終的にシュート数で15
(豪州)vs13(日本)のほぼ五分に持込み、ボールポゼションも56%に引き上げた日本代表の復元力は評価すべきだと思います。ただ、豪州クラスのフィジカルの強いチームにプレスを掛けられると、パスの精度が落ち、ミスも出てくるということが確認されました。また、自陣ペナルティエリア内の高さ対策も課題として残りました。印象的だったのは、試合後、ザッケローニ監督も選手達も審判の判定には一切言及していなかったこと。アジア杯での中東の笛からわずかの期間で随分大人の対応に成長していました。このチームは、まだまだ成長しそうな予感がします。9月の最終予選再開時にどのように進化しているか楽しみです。
そもそも、サッカーの競技規則はわずか17条。200近い項目が規定されている野球に比べ、いかにも大雑把です。ルールは選手のフェアプレー精神とレフェリーの主観に大きく委ねられています。だからこそ、毎試合黄色のフェアプレーフラッグを掲げ、試合前には選手達がフラッグにサインしてフェアプレーを誓約するわけです。問題は、レフェリーの主観部分。往々にして厳格すぎるレフェリーはゲームを壊しがちです。アルガムディ主審はその典型例で、ロスタイムに本田にFKを蹴らせなかったのは、本人にすれば、時計通り笛を吹いた勇気あるジャッジだったのでしょうが、ゲームのクライマックスに幕を引いてしまい、ドラマチックなゲームを台無しにしてしまったのは明らかです。W杯で笛を吹いた位ですから、一流審判であることは間違いないのでしょうが、今後の再犯(?)防止の為にも、日本サッカー協会としては、今回のジャッジ(特に内田のファウル)への異議をFIFAに提訴すべきだと思います。(オジェック豪州代表監督も「内田のプレーはファウルには見えなかった」と試合後のインタビューで語っています。)
主審の問題はさておき、序盤押されっ放しだった流れを引き戻して、最終的にシュート数で15
(豪州)vs13(日本)のほぼ五分に持込み、ボールポゼションも56%に引き上げた日本代表の復元力は評価すべきだと思います。ただ、豪州クラスのフィジカルの強いチームにプレスを掛けられると、パスの精度が落ち、ミスも出てくるということが確認されました。また、自陣ペナルティエリア内の高さ対策も課題として残りました。印象的だったのは、試合後、ザッケローニ監督も選手達も審判の判定には一切言及していなかったこと。アジア杯での中東の笛からわずかの期間で随分大人の対応に成長していました。このチームは、まだまだ成長しそうな予感がします。9月の最終予選再開時にどのように進化しているか楽しみです。
2012年6月10日日曜日
ヨルダン戦 ‐ 強さの秘密と一抹の不安
W杯アジア最終予選、初戦快勝の後の大事な一戦。相手は相性の悪いヨルダン。固くなり、慎重になってもおかしくないゲームですが、サムライブルーは、あたかも親善試合のようにリラックスしてゲームを支配し、得点を重ねました。6対0は掛け値無しの快勝であり、現在の日本代表の強さを実証した試合でした。日本代表史上最強チームとの称号に相応しい戦いぶりでした。不思議なチームです。主力は、北京五輪3連敗と惨敗した反町ジャパンのメンバー。エース本田は、まだまだ中田英寿の域には達していないと思いますし、岡崎も尊敬するゴン中山を超えるには至っていません。守備陣は、ドイツW杯のメンバーの方が安定していました。中盤も、名波・稲本・小野・俊輔の黄金のカルテットの方がタレント的には上。そんなフツーの男の子達のチームの強さはどこからくるのでしょうか。圧倒的なボールポゼションとパス回しを可能にしているのは、このチームの誰もが口にする「団結力」です。そして、それを支えているのが、個々のメンバーの様々なリーダーシップではないかと分析しています。まずは、キャプテン長谷部の正統派キャプテンシー。彼の存在が、チームに規律と信頼感をもたらしています。そして、本田の力づくの牽引力。長谷部とは違った意味でのリーダーシップです。彼の存在が、チームに力と勇気を与えています。影のコンダクター、遠藤の存在がチームに落着きをもたらし、香川・長友の海外での実績がチームの自信となっています。岡崎のひたむきさ、ムードメーカー今野、槙野の存在もチームのアクセントとなっており、一種のリーダーシップを発揮していると言えます。これらのリーダーシップがうまく噛み合い、個々のメンバーの力を増幅し、チームの強さの源泉となっているのです。ただ、不安が無い訳ではありません。複数のリーダーの存在は、チームが上り調子の際には大きな推進力となりますが、一度歯車が狂い始めると、チームを分裂させる原因となりかねません。それは、ドイツW杯本戦で日本代表に起こったことでもあります。もっとも、このチームの場合、北京五輪での挫折体験、南アW杯での成功体験を共有しており、チームとしての団結力が簡単には崩壊しない強みがあります。一抹の不安はヨルダン戦の5点目のPK。FW前田が得たPKですので、本来であれば、本人の前田がPKを蹴るところです。ハットトリックが掛かる本田に前田が譲った形でしたが、本田は前田に気遣うこともなく、最初からボールを離しませんでした。しかも、PKのシュートはゴール中央へのフワッとしたシュート。キーパーが足でクリア出来るボールでした。もし、クリアされていたら、日本代表に小さな火種が生じていたかもしれません。ヨルダン戦でのもうひとつの発見は、ザッケローニの手堅さ。大量リードの後半。サポーターが宮市の投入を待ち望んでいることは、ザックも判っていたはずです。にも拘わらず、2枚目のカードは憲剛、3枚目は伊野波でした。吉田の負傷退場で、DFのバックアップを試す狙いと、レギュラーCB今野の温存を図ったものでした。豪州との戦いを見据えた冷静な采配でした。ジーコだったら、間違いなく宮市、ハーフナー投入だったと思います。
2012年6月4日月曜日
14番目の月 - オマーン戦
先発11人のうち国内組は今野、遠藤、前田の3人のみ。海外組の成長、経験値のアップを痛烈に印象づけられた一戦でした。まず驚いたのはシュートの正確性。シュート14本のうち枠内シュートが9本。3ゴールは決定率20%以上。しかも、先制点、本田のゴールは日本のファーストシュートによるもの。明らかにペナルティエリア内での落着き、精度が上がっていました。前半は、オマーンのゴール前で、パス回しのミニゲームの練習のような試合展開。目立っていたのは本田。ボランチからトップまで、まさにセントラルミッドフィルダーの動きでした。遠藤が気配を殺しつつ、本田の上下動の要所要所で壁になっていたのが印象的でした。
3点取った後は4-4-2のブロックを低めに形成して日本版カテナチオ。守備的システムも試し、落ち着いて試合を終わらせ、いかにもアジア王者の戦い方でした。結局、オマーンのシュートはクロス気味の1本のみ。ポゼションサッカーの完璧な勝利でした。
ひ弱だった反町ジャパンの北京世代は、海外での経験を糧に、この4年間で大きく成長しました。国内組サポーターも一層の精進が必要です。オマーン戦での課題を挙げるとしたら、ゴール前でファウルを取れなかったこと。レフリーに取ってもらえなかったのは、倒される際の一踏ん張りの粘りが足りなかったのが原因。これ位の課題があった方が、サポーターとしても応援のし甲斐があるというものです。折りしも、スタジアム上空には満月1日前の月(写真)が。ユーミンの歌が思い浮かびました。
♪次の夜から欠ける満月より 14番目の月が一番好き
3点取った後は4-4-2のブロックを低めに形成して日本版カテナチオ。守備的システムも試し、落ち着いて試合を終わらせ、いかにもアジア王者の戦い方でした。結局、オマーンのシュートはクロス気味の1本のみ。ポゼションサッカーの完璧な勝利でした。
ひ弱だった反町ジャパンの北京世代は、海外での経験を糧に、この4年間で大きく成長しました。国内組サポーターも一層の精進が必要です。オマーン戦での課題を挙げるとしたら、ゴール前でファウルを取れなかったこと。レフリーに取ってもらえなかったのは、倒される際の一踏ん張りの粘りが足りなかったのが原因。これ位の課題があった方が、サポーターとしても応援のし甲斐があるというものです。折りしも、スタジアム上空には満月1日前の月(写真)が。ユーミンの歌が思い浮かびました。
♪次の夜から欠ける満月より 14番目の月が一番好き
2012年6月3日日曜日
ブラジルW杯アジア最終予選 ‐ 予兆
いよいよブラジルW杯アジア最終予選が開始されます。エース香川が絶好調、精神的支柱の本田が復帰し、李以外故障者もなく、チーム状態は万全といえます。日本代表史上最強チームとも称され、W杯出場は既定路線との空気も漂っています。楽観していいのでしょうか。予兆という言葉があります。慶事の予兆は吉兆と呼ばれており、白鷺、彩雲などの前ぶれ、縁起物的で、因果関係に欠ける感があります。一方、凶兆はちょっとした悪い兆候が結果的に凶事に繋がる場合が多々あります。日本代表凶兆その1。ACL惨敗。かつて浦和、G大阪でACLを連覇した時の勢いが日本のクラブチームにはありません。アジア勢の日本チーム対策は急速に進んでいます。凶兆その2。G大阪の不振。ゲームのペースを変えることが出来る遠藤の存在は代表にとって不可欠ですが、彼のもう一つの魅力は卓越した危機察知能力です。これはザックジャパン不動のCB今野にも言えることです。不安材料は、2人の属するG大阪が不振を極めているということ。しかも、守備が崩壊して、敗戦を重ねているのです。G大阪で起こっていることが日本代表では起こらないと言い切れるでしょうか。欧州CLでのチェルシーの優勝も不吉です。日本代表が男女とも目指すのはポゼションサッカー。しかし、欧州を制したのは、チェルシーの極めて守備的なカウンターサッカーでした。グアルディオラもバルサを去るし、ポゼションサッカーの潮流の潮目が変わりつつあるのでは?不安を挙げたらキリがありません。若きサムライブルーが、これらの不安を杞憂に終わらせてくれることを期待したいと思います。トルシエジャパンの海外組は6名でした。「海外で戦う選手が20名を超えたら日本代表はめちゃくちゃ強くなる」当時のトルシエ監督の予言です。現在、欧州主要リーグに所属する日本選手は22名。吉兆かもしれません。ザッケローニ監督は言っています。「簡単な試合はひとつもない」と。楽観も悲観もなく、一試合一試合に集中して選手と共に戦いましょう。
2012年5月28日月曜日
バラの恋人
2012年5月24日木曜日
オレンジの残像 ‐ アゼルバイジャン戦
FIFAランキング109位のチームとの調整試合。先発は海外組9名の殆どぶっつけ本番状態。海外組はシーズン終了直後のリラックスモード期間。一昔前の代表だったら「サムライブルー空回り。格下相手にスコアレスドロー。W杯最終予選に暗雲」との翌日の新聞見出しを試合前から覚悟せざるを得ないシチュエーションでした。ただ、今回は明らかに違いました。選手の勝利にこだわり、ゴールへの高い執着心が明らかに感じられました。海外組の最大の成長は、この意識改革かもしれません。そして、戦術への高い共通理解と実践。昔は、練習を通じての醸成を目指した「オートマティズム」と呼ばれていたものです。これがごく自然に実現出来るというのは、日本代表というチームの暗黙知が確実に向上し、強さのステージが上がったことを実意味しています。2-0のスコアはややもの足りないものの、最終予選に向けてのいい調整になったと思います。
今回の試合の最大の驚きは、アゼルバイジャン代表監督のベルティ・フォクツ。TVでは元ドイツ代表監督との紹介でしたが、私にとってみると「1974年西ドイツW杯決勝でクライフを抑えきった西ドイツのディフェンダー」です。ベッケンバウアー率いる西ドイツ対クライフ率いるトータルフットボールのオランダとの決勝。オランダが開始2分で西ドイツにボールを触れさせることなくPKを獲得して先制しますが、その後、西ドイツはフォクツをクライフのマンマークにつけ、クライフの動きを完封。ミュラーの逆転弾でオランダを粉砕し、開催国優勝を飾ります。フォクツは、クライフがピッチの外で靴ひもを結び直す間もタッチライン上でマークを続けていました。
当時のオランダ代表は、ポジションが流動的に変化する画期的なシステムを実践し、「トータルフットーボール」「未来のサッカー」と呼ばれていました。その中核にいたのがスーパースター、ヨハン・クライフ。そして、彼が監督を務めて築き上げたのが、FCバルセロナのスペクタクルな攻撃サッカーです。オランダ代表でのクライフのポジションは4-3-3のセンターフォワードでしたが、多くは中盤に位置し、時にはディフェンスラインまで下がり、機を見て最前線に駆け上がるというポジション取りで、結果として、システム的にはゼロ・トップとなっていました。今回の試合の本田の復活で、トップ下は本田か香川かとの議論がマスコミを賑わしそうですが、ゼロ・トップというオプションもあるのではないでしょうか。つまり、岡崎・宮市をウィングに配し、真ん中は香川と本田を縦に並べ、その上下を流動的に入れ替えるというものです。本田と香川にクライフになれというわけです。奇しくも日本代表の練習着(写真)がオレンジ色になりました。クライフやニースケンスのオレンジの残像を、ついついダブらせたくなってしまいます。
今回の試合の最大の驚きは、アゼルバイジャン代表監督のベルティ・フォクツ。TVでは元ドイツ代表監督との紹介でしたが、私にとってみると「1974年西ドイツW杯決勝でクライフを抑えきった西ドイツのディフェンダー」です。ベッケンバウアー率いる西ドイツ対クライフ率いるトータルフットボールのオランダとの決勝。オランダが開始2分で西ドイツにボールを触れさせることなくPKを獲得して先制しますが、その後、西ドイツはフォクツをクライフのマンマークにつけ、クライフの動きを完封。ミュラーの逆転弾でオランダを粉砕し、開催国優勝を飾ります。フォクツは、クライフがピッチの外で靴ひもを結び直す間もタッチライン上でマークを続けていました。
当時のオランダ代表は、ポジションが流動的に変化する画期的なシステムを実践し、「トータルフットーボール」「未来のサッカー」と呼ばれていました。その中核にいたのがスーパースター、ヨハン・クライフ。そして、彼が監督を務めて築き上げたのが、FCバルセロナのスペクタクルな攻撃サッカーです。オランダ代表でのクライフのポジションは4-3-3のセンターフォワードでしたが、多くは中盤に位置し、時にはディフェンスラインまで下がり、機を見て最前線に駆け上がるというポジション取りで、結果として、システム的にはゼロ・トップとなっていました。今回の試合の本田の復活で、トップ下は本田か香川かとの議論がマスコミを賑わしそうですが、ゼロ・トップというオプションもあるのではないでしょうか。つまり、岡崎・宮市をウィングに配し、真ん中は香川と本田を縦に並べ、その上下を流動的に入れ替えるというものです。本田と香川にクライフになれというわけです。奇しくも日本代表の練習着(写真)がオレンジ色になりました。クライフやニースケンスのオレンジの残像を、ついついダブらせたくなってしまいます。
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